社会

【回答者 高野俊太郎弁護士】演劇発表の貼り紙や投函、自由にできる?

2018/03/02 05:00
高野俊太郎弁護士
高野俊太郎弁護士

質問 大学の演劇サークルに所属しており、今度発表をすることになりました。たくさんのお客さんに来てほしいので、チラシを作って貼り紙したり、近所のポストに入れたりしようと思っています。法律的に何か問題はありますか。

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回答 まず、貼り紙をする行為ですが、電柱や駅、他人の家の塀といった公共の場所に貼る行為は、管理者に無断で行うと、屋外広告物条例違反や軽犯罪法違反、建造物損壊罪、器物損壊罪という犯罪行為に該当する可能性があります。

 屋外広告物は、われわれの生活にさまざまな情報をもたらしてくれるものですが、一方でこのような広告物が無秩序に氾濫すると、都市の景観を害したり、情報が錯綜(さくそう)する結果になりかねないことから、貼り紙を含めて屋外に自由に広告を出すことは条例により制限されています。

 また、建造物等は他人の財物であり、そこに貼り紙などをされることによって、その持ち主が不快に感じたり、その程度によっては、その建造物等の効用が害されることもあります。

 このように、無断で貼り紙をする行為は、犯罪行為として罪に問われる可能性が十分あるものです。

 次に、近所のポストに入れる行為ですが、投函(とうかん)行為自体が直ちに犯罪にあたるわけではありません。しかし、その前提として、その建物の敷地内に入らなければならない場合がほとんどだと思われます。この敷地内に立ち入る行為が住居侵入罪あるいは建造物侵入罪として、罪に問われる可能性があります。

 本件とは若干異なりますが、選挙用のビラを配布するためにマンション内に立ち入った行為が住居侵入罪として有罪となったケースもあります。ただし、この裁判例は憲法で保障されている表現の自由に対する不当な制約であるとして批判もあります。

 一生懸命練習した成果をできるだけ多くの方に見ていただきたいというお気持ちはわかります。しかし、チラシを貼ったり、近所のポストに入れたりする場合には、必ず事前に市町村や近所の方々等の許可を取った上で行わなければ、思わぬ結果になりかねません。十分注意していただければと思います。

(たかの・しゅんたろう)

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