社説

森友・加計問題 詭弁で疑念は拭えない

12/01 05:05

 衆参両院の予算委員会での審議が一巡した。4日間の論戦で浮かび上がったのは、学校法人「森友学園」「加計(かけ)学園」問題を巡る政府側の説明のほころびである。

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 森友学園への国有地払い下げでは、国側と学園側の事前折衝の新たな音声記録が報じられ、政府も事実と認めた。国が値引きを了承していたとも取れる内容だ。

 会計検査院は既に、価格算定の根拠が不十分と報告している。

 それでもなお手続きは適正と繰り返す政府側の答弁には、詭弁(きべん)としか思えぬ理屈もちらつく。これでは国民の納得は得られまい。

 さらなる究明が国会の責務だ。必要な証人喚問や参考人の招致をためらってはならない。

 森友問題の新たな音声記録は昨年春、財務省近畿財務局、国土交通省大阪航空局職員と学園側とのやりとりを録音したものだ。

 ごみ埋設の算定について国側が「ストーリーはイメージしている」「そんなところで作りたい」などと発言している。値引きの口裏合わせと疑われても仕方あるまい。

 財務省は、近畿財務局担当者が学園側に「1億3千(万円)を下回る金額というのはない」などと述べた音声記録も事実と認めた。

 売却当時の財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が、事前の価格交渉を否定してきた従来の答弁との整合性に疑問符が付く。

 太田充理財局長は「金額についてのやりとり」を認めつつ、価格交渉にはあたらないと繰り返したが、あまりに苦しい釈明だ。

 この時期、開設予定の小学校の名誉校長を務めていたのは、安倍晋三首相夫人の昭恵氏である。首相は再発防止ばかりを強調するが、昭恵氏の招致を含め、国会での究明に協力してもらいたい。

 加計学園問題では、特区認可に「総理のご意向」を掲げた圧力が働いたのか、疑念が晴れない。

 首相は答弁で「私から個別具体的な指示はしていない」と繰り返し、自らの関与を否定した。

 これについて林芳正文部科学相は、先の衆院文科委で「総理の意向があると伝えられたと受け止められるようなメモが作成されたと推察される」と述べていた。

 指示もないのに首相の意向が語られ、異例の認可につながったとすれば、まさに忖度(そんたく)が行政をゆがめたことにならないか。

 野党は予算委の集中審議や閉会中審査を求めているが、与党は応じていない。首相が「丁寧な説明」を言うのなら、徹底審議の実現へ指導力を発揮するべきだ。