社説

加計新学部認可 まず国会で疑念晴らせ

11/11 05:05

 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(大学設置審)はきのう、林芳正文科相に計画を「可」とする答申をした。

 林氏は近く開学を認可する方針だ。1966年以来となる来春の獣医学部新設の体裁は整った。

 だが、獣医師が足りているとして半世紀も認められなかった新設計画がなぜ急速に進んだのか。安倍晋三首相と加計孝太郎理事長の親密な関係が影響したのではないか、との疑念は消えていない。

 国民の不信を残したままの開学では、なによりも学生たちにとって、幸せな門出とはなるまい。

 国会は加計氏の招致も含め、疑問の究明を徹底すべきだ。首相は国民への「丁寧な説明」という約束をきちんと果たしてほしい。

 大学設置審は、学部などの新設の際、大学教授らの専門家が教員の質や人数、教育課程や設備が基準を満たしているか審査する。

 加計学園の獣医学部新設は今年3月に申請されたが、計画にいくつもの問題点が見つかり、8月にいったん判断が保留された。

 学園側はその後、大学設置審からの是正意見を受けて計画を修正した。今回の答申は、それを適正と認めた結果なのだろう。

 しかし申請の前提となった国家戦略特区選定の際、内閣府が文科省に「総理のご意向」と圧力をかけたとする文書も明るみに出て、文科省の前事務次官は「行政がゆがめられた」と証言した。

 そして首相は国会で、加計氏との頻繁な接触にもかかわらず、計画を知ったのは今年1月だとして関与を否定したが、過去の答弁との整合性に疑問符が付く。

 こういった疑問を素通りしての開学は国民の理解を得られまい。

 国会は答申を受け、衆院の文部科学委員会などで、この問題を審議するという。ただ与党側は首相の出席には消極的で、野党が求める加計氏の証人喚問や参考人招致にも応じる気配がない。

 問題の核心は、首相と「腹心の友」とされる理事長との個人的な関係が、行政をゆがめたかどうかという点にある。両者の出席がなければ究明は望めないだろう。

 衆院選後の世論調査でも、内閣不支持の理由として「人柄が信頼できない」との回答が多数を占めた。加計学園や森友学園をめぐる問題への対応が要因ではないか。

 首相は衆院選後も「国会で質問されれば丁寧に答える」と明言したはずだ。加計氏とともに、進んで質疑に臨んでもらいたい。