北大発ベンチャーがトヨタとAI開発 部品の異常検知、今秋導入へ

03/23 16:52 , 03/23 19:07 更新

 人工知能(AI)開発を手掛ける北大発ベンチャーの調和技研(札幌)が、トヨタ自動車衣浦工場(愛知県碧南市)と共同で製品の異常を検知するAIを開発した。通常はAIに異常品の画像データを学習させて精度を高めるが、異常品自体が少ないため、正常品のデータのみで開発した点が特徴だ。同工場は今年秋の実用化を目指し、同じくトランスミッションを製造するトヨタ北海道(苫小牧)でも導入したい考えだ。

 衣浦工場では約500種の部品を製造し、年間90万基のトランスミッションを生産している。検査は従業員が目視で行っているが、カメラやセンサーを使って省力化を図ろうと調和技研に相談。アドバイザリー契約を結び、昨年夏ごろから共同開発を進めてきた。

 異常品を検知する画像認識AIを作るには異常品の画像が数百枚必要だが、同工場はもともと異常品の発生率がほぼゼロに近く、データが少ない。このため調和技研は北大と連携し、最新のアルゴリズム(計算手法)を応用することで正常品の画像だけでAIを開発。13種の部品について、正常品と異なる部分を発見する仕組みを完成させた。

 昨年12月から同工場で試験運用を行い、異常品の見逃しは無いという。今後、異常が見つかった際の警告機能を整備。今年秋には実際の検査ラインにカメラを設置し、AIを搭載したパソコンとつなぐなどして正式に導入する見通しだ。

 衣浦工場の担当者は「短期間で現場のニーズに合ったものを開発できた。実用化に向けてトヨタ北海道とも一緒に取り組む」。調和技研は今回の開発ノウハウを生かし、作業効率化を目指す他の製造業企業にもAI提供を広げたい考えだ。(権藤泉)