忠犬ハチ公像が建立70周年 JR渋谷駅前、訪日客にも大人気

09/11 16:00 , 09/11 16:26 更新

忠犬ハチ公像に手を触れるヘレン・ケラーさん=東京都渋谷区

 東京のJR渋谷駅前に立つ「忠犬ハチ公」の像が今年、建立から70周年を迎えた。待ち合わせの目印として、また記念写真の撮影場所として長く親しまれてきた銅像の歴史を振り返ってみた。

 ハチ公は戦前に実在した秋田犬だ。飼い主が亡くなった後も、かつて主人の送り迎えをした渋谷駅へ日参し、帰りを待つ姿が世の共感を呼んだ。

 戦前にも渋谷に銅像が建てられたが、戦争末期に金属類回収令で供出。現在の像は2代目で、1948年8月15日に除幕式が行われた。二つの像は、親子2代の彫刻家である安藤照、士の両氏がそれぞれ手掛けた。

 除幕式の翌月、米国の社会福祉事業家ヘレン・ケラーさんがハチ公像を訪れた。戦前に秋田犬を飼っていたこともある彼女の訪問は、日米の新しい関係を印象づける役割を果たした。

 像はその後も、さまざまなPR活動に一役買っている。60年には胴輪を着けて狂犬病予防に理解を求め、2012年には最新ファッションを身にまとって東京コレクションの開催を告知。選挙の際には、たすきや化粧まわしを着けて投票を呼び掛けた。

 ハチ公像は当初北向きに立っていた。1989年に駅前の広場が改装されて東向きになり、場所も少し動いたが、渋谷のシンボルとして健在。訪日客にも大の人気で、像の前は写真の順番を待つ人の列が絶えない。白根記念渋谷区郷土博物館・文学館は10月8日まで、「ハチ公と忠犬ハチ公像」展を開催している。