通勤の波戻った 医療機関外来も再開 電力不足節電意識高く

09/10 13:05 , 09/10 16:24 更新

改札を出て職場に向かう通勤客ら=10日午前7時30分、JR札幌駅(金本綾子撮影)

 道都の日常が動き始めた。胆振東部地震による停電が全面的に復旧し、JRや地下鉄の運行再開後の初めての平日朝となった10日午前、札幌市内では通勤通学のラッシュが戻った。外来診療を再開した病院には、高齢者らが次々訪れた。混乱していた市民生活は落ち着きを取り戻しつつある。一方、電力不足が懸念される中で、節電を意識しながらの生活が当面続いていく。

 急ぎ足で職場に向かう人たちが改札から途切れず出てくる光景が戻った。10日午前8時ごろのJR札幌駅。江別市の会社員渡辺純司さん(56)は5日ぶりの出勤といい、「会社のパソコンやサーバーが問題なく使えるか心配」と不安を抱えながら札幌中心部の会社に向かった。

 札幌市の公務員阿部浩一さん(58)は「まだ余震も続いているし、今後の地震が心配。もし計画停電でパソコンが使えなくなると、業務が滞る」と困り顔を見せた。

 外来診療が本格的に再開した医療機関も混雑した。西区の「勤医協西区ひだまりクリニック」(西町北19)は、午前8時の受け付け開始前から患者が詰めかけた。診察に訪れた西区の無職東峰みつ子さん(72)は、「コレステロール値が高く、薬をもらうため2カ月に1度のペースで通院している。先週はまだ薬があったので大丈夫だったが、停電の影響で休診が長引いたらどうしようかと思っていた」とほっとした様子で話した。

 市内では、公共機関や大規模の商業施設以外でも、節電の意識が高まっている。

 10日から通常営業に戻った札幌市北区の餅屋「かわさき庵(あん)」では、看板の照明はともさず、電子レンジのコンセントを抜くなど電力消費の削減を心がけた。店主の河崎裕子さん(59)は「ささやかだけれどこの積み重ねを続けたい」。

 同区のパン店「フレッシュベーカリー ノア」には朝から多くの通勤客らが来店したが、店内は点灯させる照明を減らした。店長の谷中昌美さん(59)は「お客さんには不便をかけるけれど、できる範囲で節電に取り組みたい」と話した。(小沢弘和、片岡澄江、大城道雄)