陰謀論

09/09 05:00

米テキサス州ダラス。55年前、ケネディ大統領が暗殺された場所を示す「×」の印が道路上に残っている▼沿道の建物の6階から元海兵隊員が銃撃したとされる。窓からのぞくと、大統領は右後方から撃たれたのだろうと想像がつく。しかし、当時のビデオには前方から撃たれたような場面もある。複数犯人説の根拠の一つだ。それはCIAか、旧ソ連のKGBか▼こうした「陰謀論」が長年語られてきた。米国人はわりと好む。「飛行機雲は国民を従順にさせる化学物質」「人間に化けた爬虫(はちゅう)類が私たちを支配している」など。都市伝説と言い換えてもよかろう▼トランプ政権絡みでも新たな陰謀論が出てきた。「大統領は米国を操る悪の集団とひそかに戦っている」のだとか。謎の人物「Q」がネットに投稿し、「QAnon(キューアノン)」という大統領支持者グループが拡散。信じる人が増えている▼イタリアの研究所の調査によると、特定の団体のメンバーはネットの情報が自分の信念を裏付ける内容であれば、真実かうそかにかかわらず重視することが分かった。陰謀論のうそを暴くと、逆に思い込みが強まるというから驚く▼根拠の疑わしい話は、不安心理とあいまって大きな共鳴効果を生みがちなので要注意。胆振東部地震では「これから断水になる」といった誤った情報が流れた。情報源を多く確保して冷静な判断につなげたい。2018・9・9