車いすラグビー 勇気を与える世界一だ

08/19 05:00

 勇気と感動を与えてくれる見事な戦いぶりだった。

 車いすラグビー世界選手権の決勝で、日本がオーストラリアを破り、初優勝した。

 この競技で日本が金メダルを手にしたのは世界選手権、パラリンピックを通じて初めてだ。東京パラリンピックに向けて大きな弾みとなるだろう。練習を重ねてチーム力を一層強化してほしい。

 快挙は車いすラグビーへの関心を高め、競技の裾野を広げよう。併せて障害者スポーツ全体の普及を後押しする好機ととらえたい。

 車いすラグビーはバレーボールに似た専用球を使い、4人同士で対戦する。選手には障害の程度に応じて持ち点があり、4人の合計が決められた点数以下になるようチームを編成する必要がある。

 激しいぶつかり合いのイメージが強い競技だが、戦術に基づく各選手の役割分担や攻守の切り替えなど、見どころは少なくない。

 リオデジャネイロ・パラリンピック銅メダルで世界ランキング4位の日本が、1位のオーストラリアを倒して頂点に立ったことは、選手たちにとって大きな自信につながるはずだ。

 最優秀選手に選ばれた函館市出身の池崎大輔選手は「一つずつチームが成長した。最後まで諦めずに戦った」と話している。日本代表が一丸となって獲得した金メダルの重みが伝わってくる。

 障害者スポーツの意義は、ハンディキャップのある選手の挑戦を通じて多様性を認め合い、共生する社会を実現することにあると言える。

 ハンディに負けないプレーは多くの人を励ます力も持つ。

 気がかりなのは、チームや選手へのサポート態勢がまだ十分ではないことだ。

 パラリンピックの知名度が低かった時代ほどではないにせよ、競技や遠征にかかる経済的な負担、指導者や練習場所の不足といった課題が解消されていない。

 障害者は一般的なトレーニングジムの利用が難しいほか、「車いすが体育館の床を傷つける」などと、管理者側が使用に難色を示すケースも散見されるようだ。

 こうした不利な条件を改善していくためには、どうすべきか。

 競技団体はもとより、国や企業、市民が知恵を結集して、支援の拡充を進めなければならない。

 誰もが分け隔てなくスポーツに取り組める環境づくりに向けて、障害者スポーツへの理解をさらに深めていきたい。