最賃引き上げ 待遇改善へ議論深めて 

07/26 05:00

 厚生労働省の中央最低賃金審議会が2018年度の地域別最低賃金(時給)の目安を決めた。

 全国平均の上げ幅は26円で874円、北海道は25円引き上げて835円とした。

 目安額を時給で示し始めた02年度以降で最大の上げ幅だが、この通り決着しても、道内は年収換算で約170万円にとどまる。

 年収200万円が分かれ目とされるワーキングプア層を減らしていくことが大切だ。

 日本の最低賃金は依然、他の先進国に見劣りし、特に非正規労働者の待遇改善が急務である。

 賃上げによる景気浮揚を目指し、政府は最低賃金を毎年3%程度引き上げ、20年ごろまでに千円にする方針を掲げている。

 ただ、3年連続の年率3%相当の引き上げが、中小零細企業を圧迫しているのも事実だ。

 こうした企業への経営支援策も併せて拡充する必要がある。

 道地方最低賃金審議会で本格的な議論が始まる。労使双方で議論を深め、働く人が安心して暮らせるよう接点を見いだしてほしい。

 非正規労働者は過去最多を更新し続け、約4割を占める。最低賃金水準で暮らす人も多く、子どもの貧困の一因ともなっている。

 賃上げの流れを継続させなければならないが、経営余力の乏しい中小零細企業も少なくない。

 昨年の最低賃金引き上げ前、道商工会議所連合会が行った調査によると、回答企業の半数超が引き上げ幅を「妥当」としつつも、4分の1は経営に「マイナスの影響の方が大きい」と答えている。

 賃上げに努力する中小企業に、税や社会保険料の負担軽減を検討するなど、実効性のある支援策が求められる。

 問題は、大企業が中小企業に不利な取引を強いる「下請けいじめ」が横行していることだ。

 公正取引委員会から指導を受けた企業数は、17年度はこれまでで最も多い6752件に上った。

 政府は、不当な取引に対する監視を強め、中小企業が賃上げしやすい環境整備を急ぐべきだ。

 都道府県別で最高の東京都は985円で千円目前だが、なお19県が700円台にある。最低額の県との差も10年前の139円から225円に広がった。

 引き上げ目安も、最高ランクの東京都などは27円、最低の沖縄県などは23円で4円の開きがある。

 これでは東京一極集中が加速し、地方はますます疲弊する。地域間の格差是正も課題だ。