受動喫煙防止 決議でお茶を濁すのか

07/01 05:00

 道議会最大会派の自民党・道民会議が、受動喫煙防止対策の推進を宣言する決議案を開会中の定例道議会に提出する方針を決めた。

 道議会は当初、全5会派が一致して条例の制定を目指していた。それが法的拘束力のない決議となり、内容も検討していた条例原案より後退している。

 東京都は2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、国の規制案より厳しい条例を制定した。

 道内でも札幌市が冬季五輪の誘致を目指しているにもかかわらず、道議会が宣言のみの決議でお茶を濁すのであれば、怠慢のそしりを免れまい。

 北海道は都道府県別で喫煙率が最も高い。道民の健康を考えるなら、道議会は規制を伴う条例の制定を目指すべきだ。

 決議案は、分煙環境の整備の必要性などを記し「道議会は道民や国、道、事業者らと相互に連携・協力し、受動喫煙ゼロの実現を目指し一丸となって全力で取り組む」と宣言する内容だ。

 道議全員でつくる「がん対策北海道議会議員の会」の検討委員会がまとめた条例原案に明記されていた禁煙の対象施設などは盛り込まれなかった。

 これに対し、東京都の条例は都内の飲食店の約84%が原則屋内禁煙となり、国会で審議中の健康増進法改正案より規制対象が広い。違反者への罰則もある。

 国際オリンピック委員会は10年以降、「たばこのない五輪」を推進し、近年の五輪開催国は屋内全面禁煙を徹底している。

 都条例はこれを踏まえたもので、宣言にとどまる道議会の対応はあまりに腰が引けている。

 議員の会の会長を務める自民会派の加藤礼一氏は「決議は条例制定へのステップ。条例は諦めていない」と説明する。

 だが、17年5月に条例原案がまとまった後、議会への提案が先送りされてきたのは、自民会派内の合意形成に手間取ったからだ。

 議会庁舎内の分煙が徹底されておらず、庁舎内で喫煙できなくなるなどの内容に喫煙者の道議が難色を示したことが背景にある。

 決議案にも異論がくすぶり、作業が難航した。条例化を再び目指すにしても、抵抗が予想される。

 北海道はがん死亡率が高く、特に肺がんは全国一だ。たばこ対策こそが緊急の課題といえる。

 がん対策に取り組む北海道医師会なども早期の条例化を求めている。道議会が率先して受動喫煙対策を講じる意志を示してほしい。