赤ちゃんに「高い高い」はだめ? 揺さぶられ症候群 注意を

2017/11/05 09:46

 <質問> 赤ちゃんに「高い高い」をするのは良くないと聞いたのですが、どうしてでしょうか。

 <回答> 昔から赤ちゃんの「高い高い」は普通に行われてきました。「高い高い」の是非について言われるようになったのは、「乳幼児揺さぶられ症候群」という病気が知られるようになってからです。

 乳幼児揺さぶられ症候群というのは、赤ちゃんが激しく揺さぶられたために起きる脳の損傷をいいます。赤ちゃんは頭が重く筋肉が弱いので、揺さぶられたときに自力で頭を支えることができません。その結果、速く強く揺さぶられると、頭蓋骨の内側に脳が何度もぶつかり脳に損傷が生じてしまうのです。また1歳くらいまでの赤ちゃんは、脳と頭蓋骨の隙間が大きく、その間を結ぶ血管が揺さぶられたために切れて頭蓋内出血を起こすこともあります。

 この病気になると、元気がなく眠りがちになる、嘔吐(おうと)やけいれん、意識障害などの症状が出ます。米国の統計では、揺さぶられて頭蓋内出血を起こした場合、死亡率は25~50%、運動や言語・学習障害、失明などの後遺症が残る率は30~50%になります。

 長時間のドライブが原因で起きた事例が報告されているほか、泣きやまない赤ちゃんにストレスを感じた養育者が、泣きやませようとして執拗(しつよう)に激しくゆさぶったことで生じる場合もあります。赤ちゃんの脳はダメージをとても受けやすいのです。泣きやませようとして強く揺さぶることだけは絶対にしてはなりません。

 質問の「高い高い」や、赤ちゃんを膝の上でピョンピョンさせるという通常のあやし行為では、乳幼児揺さぶられ症候群は起きません。(瀬川雅史=のえる小児科院長)