北斗星の青き機関車
南国タイ路へ

寝台特急「北斗星」(上野―札幌)などをけん引したディーゼル機関車「DD51」。日本の鉄道ファンの熱い支援を受け、タイで再出発- DD51にけん引され、道内を走行する北斗星=2009年10月、伊達市

タイの首都バンコクから北西へ約80キロ離れたノンプラドック駅。車両基地に2両のDD51が並ぶ

2020年1月。北九州市の鉄道技術者辛嶋隆昭さん(35)が汗だくになりながら、タイの鉄道工事会社AS社の運転士らに点検方法などをボランティアで指導した

2両は1975年製造。JR北海道が2015年に廃車にした後、AS社が日本の商社を通じ、輸送費を含め1両約4000万円で購入した

日本の中古車両はアジアに多く輸出されている。ただ「誤操作や部品不足で走行不能となり、放置された車両も多い」(海外鉄道技術協力協会)

DD51と一緒に届いたのは日本語の簡易マニュアルのみ。鉄道愛好家が技術者派遣を発案し、バンコク出向中の道職員とクラウドファンディングで資金を集めた

SNSでタイのDD51の状況を知った辛嶋さんも指導役を買って出た。新型コロナウイルスの影響で4月の2回目の技術指導は延期された

タイ側の技術顧問サンティさん(66)は語る。「技術を学ぶだけでなく、鉄道好きが純粋に協力し合うという豊かな経験をさせてもらっている」

2020年6月27日公開
編集
森奈津子(バンコク支局)
石川泰士、津田祐慈(編集本部)

写真・動画
中川明紀、伊丹恒(写真部)