フォトランド HOKKAIDO 寒・暖

審査評  道内に史上最強の寒波が訪れるなど、例年以上に寒さが募った冬でした。屋外の撮影には厳しい季節ですが、この気象ならではの傑作も数多く寄せられました。
 1席「Whiteouting」は今季最低気温を記録した函館の朝の光景。厳しい冷え込みで、海からのけあらしと流れ出た温泉の湯気で、浜は全く前が見えない時もあったそう。望遠レンズで撮影していながら、人物を小さな点景としたため、より白い水蒸気が強調され、スケール感のある作品になりました。
 2席「至福のぬくもり」は、甘く懐かしい気持ちを呼び起こさせる一枚。母の背、子の胸を通したぬくもりは、互いの体と心をどれほど温めることでしょう。子どもの虐待事件に心を痛める中で、情愛に満ちた作品に救われた思いがしました。
 同「怖い夜」は歌志内のなまはげ祭りで撮影。抱えられ泣き叫ぶ子と、背後でほほえんで見守る大人の対照的な表情がポイントになりました。作者は地域のイベントを精力的に回り、4年前にもこの祭りの写真で入賞しています。
 3席「毛嵐の舞」も今季の最強寒波さなかの一枚です。寒暖計は氷点下30度以下。川の流れに沿い、白い霧の列が続き、差し込んだ朝日はあたりをオレンジ色に染めました。厳寒の写真ながら、色のおかげで暖かみを感じる、今回のテーマに即した内容でした。
 同「樹氷と放牧牛」はシンメトリーな画面構成が成功しました。枝が霜で覆われた木をはさみ、まるで配置したかのように牛が左右を向いています。牛の体からは湯気が上がり、動物のぬくもりと厳しい寒さを感じさせます。
 同「親友」はよほど牛に好かれている犬なんでしょう。ほほ笑ましく、ほのぼのとした気分にさせられました。
(北海道新聞社写真部次長 野勢英樹)

2019年3月2日北海道新聞夕刊掲載

1席

「Whiteouting」
堀内義己さん=函館市

2席

「至福のぬくもり」
藤田哲さん=小樽市

「怖い夜」
鈴木佳夫さん=岩見沢市

3席

「毛嵐の舞」
菅野政一さん=十勝管内更別村

「親友」
山内佳子さん=札幌市

「樹氷と放牧牛」
吉井泉さん=釧路市

佳作

「Ice tree lamp」
伊藤範行さん=江別市

「のんびり歩いて行こう」
朝日美幸さん=札幌市

「雪のおうち暖かいね」
真田美代子さん=後志管内倶知安町

「流星」
鈴木幸雄さん=旭川市

「ぬくもり」
宮田芳明さん=札幌市

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