フォトランド HOKKAIDO 好日

フォトランド HOKKAIDO 好日

審査評  日々の暮らしが良い日を意味する好日であるのは、人びとの願いでしょう。テーマから人物に焦点を当て、幸福感を表現した作品が多く見られ、ともすれば殺伐とした報道の現場にいる私たちにとって、こうした作品を目にすることができた審査日は好日でした。今回は60人から178点の応募がありました。
 1席の「浮かれ気分」は自然なスナップであることが目を引きました。被写体は知人の家族で、お祭り会場で2時間以上もお付き合いしていると、子どもたちは次第にカメラを意識しなくなったそうです。場面は帰り際。道理でこの表情、しぐさでした。
 2席「陽(ひ)だまり」は夕方の光線をうまく生かしました。樹木と影が画面の枠のようになり、視線は自然と明るい部分へと向かいます。輝く桜と芝の間には人物を点景で添え、春の良き日が表現できました。
 同「干場(かんば)に舞う」は幼子がかごを船に見立て、コンブの波の中を進んでいくように見えます。重労働の漁と干し作業は一段落。天候にも恵まれ、漁業者の大人たちにとっても好日だったことでしょう。
 3席「思い出づくり」はアイデアが光りました。女性2人が持つ額縁は、作者の手作り。訪れた観光客に掲げてもらい、撮影に臨みました。応じてくれた人たちは大喜びで、自分たちでも撮影していたそう。好天と満開の花々で、さぞ「インスタ映え」したことでしょう。
 同「二人の思い出」は味わい深い作品。公園で作者と同年代のブランコをこぐ老夫婦と出会い、その姿に感動したそう。並んで揺れる2人には、どんな思いが去来したでしょうか。
 3席のもう1点「小さな幸せ」は子猫の寝姿が無防備で無邪気です。カメラを地べたにつけたローアングルが適切で、主題がはっきりしました。
(北海道新聞社写真部次長 野勢英樹)

2018年9月1日北海道新聞夕刊掲載

1席

「浮かれ気分」田村謙次さん=室蘭市

「浮かれ気分」
田村謙次さん=室蘭市

2席

「陽だまり」江川孝さん=札幌市

「陽だまり」
江川孝さん=札幌市

「干場に舞う」畑端憲行さん=日高管内新ひだか町

「干場に舞う」
畑端憲行さん=日高管内新ひだか町

3席

「思い出づくり」鈴木佳夫さん=岩見沢市

「思い出づくり」
鈴木佳夫さん=岩見沢市

「二人の思い出」上田康一さん=函館市

「二人の思い出」
上田康一さん=函館市

「小さな幸せ」藤田哲さん=小樽市

「小さな幸せ」
藤田哲さん=小樽市

佳作

「昆布干し」竹田徹夫さん=渡島管内知内町

「昆布干し」
竹田徹夫さん=渡島管内知内町

「夏の夜の宝石箱」吉川優子さん=札幌市

「夏の夜の宝石箱」
吉川優子さん=札幌市

「天使降臨」山本義則さん=旭川市

「天使降臨」
山本義則さん=旭川市

「再会」大場宏道さん=苫小牧市

「再会」
大場宏道さん=苫小牧市

「朝日を浴びて」大場健一さん=札幌市

「朝日を浴びて」
大場健一さん=札幌市

フォトランドHOKKAIDOのコンテンツ一覧

もっと見る
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る