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北海道胆振東部地震
~復興へ歩んだ2年~

 2018年9月6日午前3時7分。胆振地方中東部を震源とする最大震度7の地震が発生した。死者44人(関連死3人)、負傷者785人。これまで前例の無い電源喪失による大規模停電(ブラックアウト)も起き、道内全域が暗闇に覆われた。

 あれから2年。この間、人びとの防災意識は確実に高くなった。自身がやれることを模索し、節電についても真剣に考えるようになった。各自治体は災害に強いまちづくりを目指し、災害対応の計画見直しやインフラ整備を進めてきた。さまざまな分野の組織、団体が連携し、協力し合う動きが続いている。

 大きな被害が出た厚真、安平、むかわの3町。土砂崩れが起きた山肌は修復、補強工事が行われ、新たな住宅の建設も進んでいる。道路の通行止めはほぼ解消された。設備が壊れた浄水場は復旧工事が完了し、給水を再開した。土砂が流入したハスカップ畑には新たな苗木が植え直された。

 着実に進んできた復興への歩み。壊れたものが一つ直るたび、私たちは強くなっていく。

富里浄水場 復活の軌跡

裏山が崩壊し、施設全体が土砂に覆われ、高さ16メートルの配水池も半分以上が埋まった。2年に渡って崩落の対策工事が続けられ、斜面は格子状の型枠に覆われた。破損した地下のポンプや配管を交換。今夏の映像では土砂が取り除かれ、配水池も全貌が見える。

厚真町吉野地区 茶色い山肌、徐々に緑化

大規模な土砂崩れが発生して家々をなぎ倒し、道路や水田までも飲み込んだ。現在は道路が開通。崩れた斜面の復旧工事も続けられており、むき出しだった茶色い山肌は補強され、緑が少しずつ戻ってきている。だが、今も住宅の再建はされないままだ。

二次災害対策 建設進む砂防ダム

厚真町富里地区の所々で山が崩れ、大量の土砂が田畑に流れ込んだ。すぐ横に被害を免れた家が見えるが、比較すると土砂崩れの規模の大きさがよく分かる。現在は新たな土砂が流れ込むのを防ぐため、崩れた場所に砂防ダムの建設が進む。

手つかずの山間部 林道復旧急ぐ

被災3町を中心に広範囲で林地崩壊が発生した山間部は、現在も大部分が手つかずのままだ。森林整備に欠かせない林道もまた、崩れたり土砂が堆積したりなど被災した。林道を走ると復旧工事の真っ最中で、再び崩落しないよう慎重な作業が行われていた。

水道や住宅 被災地でインフラ整備進む

道と厚真、むかわ、安平3町は8月20日、復旧工事現場の視察会を開いた。工事が完了した厚真町の富里浄水場は、7月末から町内約2千戸に給水を再開。幅約700メートルにわたって崩壊した裏山斜面では、6工区のうち3工区で地盤を安定させる工事が完了した。

土砂で埋まった厚真町の水田 2年ぶりの稲穂

厚真町富里地区の渡辺敏一さんが管理する水田では、2.6ヘクタールのうち約1ヘクタールに土砂や倒木が流入した。復旧工事を経て、今年9月2日、水田には色づき始めた稲穂が広がっていた。渡辺さんは「やっといつもの田んぼの光景に戻った」と笑顔を見せた。