【PR】NTT東日本札幌病院

医療の現場から2020
変形性ひざ関節症の最新治療

ひざの痛みを感じたら、我慢せずに受診を

歩ける喜びで健康寿命を延ばす

 高齢の方やスポーツをしている方など、「ひざが痛い」という悩みを抱えている方が少なくありません。その多くは「変形性ひざ関節症」という病気により生じてくる症状です。そのまま放置していると、痛みなどの症状が悪化し日常生活に支障をきたすことにもなりかねません。この病気の原因や治療法などについて、ひざの痛みを数多く診療してきたNTT東日本札幌病院の井上雅之整形外科部長にお話を伺いました。


ひざが痛む主な原因は何ですか。

 スポーツをしている若い方は、練習や試合での激しいプレーなどでひざに大きな負荷がかかり、ひざの靭帯(じんたい)や半月板(はんげつばん)などを損傷してしまったというものが多く、症状や病名は多岐にわたります。

 中高年の方がひざの痛みを訴える場合、頻度が高いのは「変形性(へんけいせい)ひざ関節症(かんせつしょう)」です。加齢、肥満、過去のひざの外傷などが原因とされ、特に女性に多くみられます。

変形性ひざ関節症の症状はどのように進みますか。

 立ち上がりや歩き始めなど、動作時の痛みや引っかかりが初期症状です。進行すると動くたびに痛くなり、さらに高じてくるとじっとしていても痛みを感じ、ひざがO脚に変形するなどして日常生活が困難になってきます。

どのようなタイミングで受診するのがいいのでしょうか。

 動作時に痛みや違和感を覚えたら、受診されることをお勧めします。初期の段階で受診いただけると、治療の選択肢が広がります。痛みが慢性的に続いたり、寝ているときも痛みを感じたりするようであれば、早急の治療が必要です。

変形性ひざ関節症の場合、どのような治療法がありますか。

 治療は、痛みの軽減や症状の進行の抑制を目標とする手術をしない「保存療法」と、痛みの原因を根本的に取り除こうとする「手術療法」があります。

 多くの患者さんは、薬物療法(鎮痛剤、湿布など)やヒアルロン酸の関節内注射、運動療法(減量、筋トレなど)、装具療法(足底板など)による保存療法がまず行われます。新しい治療法として、患者さん自身の血液から抽出した成分を関節内に注射する「再生医療」を実施する医療機関も少しずつ増えてきました。

 保存治療で痛みが軽減されず、日常生活に不便を感じるようであれば、手術療法が考慮されます。一般的に症状が軽度〜中程度であれば「骨切り術(こつきりじゅつ)」が、重度であれば「人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ)」が行われます。

骨切り術と人工関節置換術について教えてください。

 骨切り術は、すねの骨の一部を切り、O脚を矯正してややX脚にすることで、ひざの内側にかかりすぎていた負担(体重)を外側に分散させる手術です。自分の関節を温存することができるので、比較的侵襲(しんしゅう)が少なく、他の手術方法と比較して術後の日常生活に対する制限が少ないのが利点です。

 人工関節置換術は、変形して広範囲に傷んだ関節の骨の表面を取り除き、金属とポリエチレンでできた人工関節に置き換える手術です。傷んだ片側だけを置き換える部分置換術と、全てを置き換える全置換術があります。

 その大きなメリットは、一度手術を受けて回復すると、痛みをほとんど忘れて生活できる可能性が高いことです。材質やデザインなどの進歩により、耐用年数の長期化が見込まれ、術後15~20年は持つといわれています。また、元のひざに近い動きを可能にする高性能なタイプも登場しています。術後は、関節に大きな負担を与えるような動作は控えてもらいますが、日常生活にはほとんど支障がありません。多くの場合、散歩やショッピング、旅行、ゴルフなどの簡単なスポーツも楽しめます。

骨切り術のイメージ

骨切り術のイメージ
脛骨(すねの骨)を切り、人工骨を入れる
金属で固定

人工関節置換術のイメージ

全置換術のイメージ
すべてを人工関節にする「全置換術」
部分置換術のイメージ
一部だけを人工関節にする「部分置換術」

手術と聞くと大変怖いイメージがありますが。

 近年は、ナビゲーションシステムや手術支援ロボットを術前計画や手術に活用する動きが広まり、より精緻で安全性の高い手術の実現、患者さんの肉体的・心理的負担の軽減に成果をあげています。また、疼痛管理の技術が進歩し、術前の神経ブロックや術中の関節注射などで、術後に激しく痛むというようなことはほとんどなく、多くの患者さんが早期にリハビリを開始しています。人工関節置換術の場合、一般的には手術翌日からひざの曲げ伸ばしなどのリハビリを始め4~5週間での社会復帰を目指します。

 安全性や痛みなどへの不安から手術に抵抗がある人は多いと思います。むやみに怖がる必要はありませんが、不安や心配なことは事前に主治医に相談しましょう。手術を安全に終えられるために全身状態に問題がないか、また頻度は低いものの感染症や血栓症といった手術に対するリスクについてどのような対策がとられているかなど確認しておくことが大切です。

手術を受けるタイミングなど、治療選択についてアドバイスをお願いします。

 手術のタイミングや手術方法は、単にレントゲン検査でひざ関節の状態をみただけで決めることではありません。痛みの感じ方やスタイルは人それぞれです。治療に何を求め、今後どういった生活を望んでいるかなどをじっくり主治医と話し合い、患者さん一人ひとりの状態と要望に合った治療方法を見つけることが重要です。

最後に、ひざの痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いします。

 日本人の平均寿命は年々延びていますが、肝心なのは介護などを受けずに、健康で自立した生活が送れる「健康寿命」を延ばすことです。そのためのカギとなるのは、最後まで「自分の脚で歩けること」です。

 中高年になったとき、変形性ひざ関節症にかかるリスクを減らすには、若い頃から下半身の筋肉を鍛え、肥満に注意し、ひざに過度の負担をかけないよう心掛けることが大切です。スポーツなどで靭帯や半月板などを痛めたときは、自己流の対処でやり過ごさず、その時にしっかり治療し完治させること。それが将来のひざの健康を守ることにつながります。

 ひざの痛みを「年だから」とあきらめたり、「仕方ない」と我慢したりせず、整形外科を受診し、一度、自分のひざがどのような状態なのかを確かめてみてください。

NTT東日本札幌病院
  • ■住  所/札幌市中央区南1条西15丁目
  • ■診療時間/月〜金 8:20〜11:00 13:00〜15:30(休診日/土・日、祝日)
  • ■電話番号/◎診療案内 011-623-7000
    ◎救急医療部 011-623-8000

企画制作/北海道新聞社営業局

ページの先頭へ戻る