【PR】石部基実クリニック

北海道医療情報2018 医療の現場から 新年特別企画
専門医に聞く 中高年に多い股関節の痛み「変形性股関節症」

歩く喜びをもっと ~進歩する人工股関節置換術~

 立ち上がる際や、歩き始めなどに股関節に痛みを感じる…。
 年齢を重ねるにつれ、股関節の痛みを訴える人が多くなります。
 股関節の痛みはどうして起こるのか、治療法にはどのようなものがあるか。
 股関節疾患の診療を専門としている石部基実クリニックの石部基実院長と平山光久副院長にお話を伺いました。

「老けない体」は股関節から
~股関節の痛みとその原因~


──股関節の痛みはどうして起こるのですか?

石部 股関節に痛みや病気を抱える人は全国で500万人以上とされ、その大部分は「変形性股関節症」によるものです。変形性股関節症は、骨盤と大腿(だいたい)骨をつなぐ股関節に生まれつきの異常があったり、間の軟骨が擦り減ったりして、関節炎が生じ痛みが出る病気です。9割以上は、骨盤の臼蓋(きゅうがい)の形成不全が原因です。

股関節のしくみ
 臼蓋は股関節の骨盤側の骨で、形成不全とは、この部分の面積が少ない状態のことです。立っている時や歩いている時、股関節には体重の3~5倍の圧力がかかります。体重を支える面積の少ない臼蓋形成不全の患者さんの関節の軟骨はとても傷みやすいといえます。臼蓋形成不全は女性に多いため、変形性股関節症の患者さんも8割が女性で、発症するのは40歳から50歳代が中心です。

──変形性股関節症の治療法にはどのようなものがありますか?

平山 治療は、痛みを緩和しながら日常生活を問題なく送るための手助けを行う「保存的治療」と、手術を行って痛みの原因を根本的に取り除こうとする「外科的治療」があります。減量や筋肉トレーニング、鎮痛剤の服用などの保存的治療では痛みを軽減することはできても、完全には治りません。一方、外科的治療は一度手術を受けて完全に回復すれば、以降は痛みをほとんど忘れて生活できる可能性が高いです。とはいえ、この病気は必ずしも外科的治療を必要とするわけではありません。変形性股関節症は病気の程度によって、前期、初期、進行期、末期と分けることができますが、前期か初期の段階であれば、保存的治療によって股関節の痛みをコントロールすることは十分可能です。

 手術にもいくつか種類がありますが、症状が進行期や末期に達している場合には「人工股関節置換術」が一番の選択肢となります。

必要以上に手術を恐れないで ~人工股関節手術の現在~


人工股関節
人工股関節。医療技術の進歩で耐久性が格段に向上している
──人工股関節置換術について教えてください。

石部 軟骨が消失した股関節を取り除き、金属やセラミックなどで作られた人工的な股関節に置き換える手術です。患者さんの不安材料として「本当に痛みが取れるのか?」「普通に歩くことができるのか?」ということが多いですが、手術後はほぼすべてのケースで痛みが消え去り、スムーズに歩くこともでき正常の生活が送れるようになります。

平山 以前は「人工股関節は10~15年程度で取り替える必要がある」といわれていましたが、そんなことはありません。手術を受けた全患者さんのうち1年間で再手術を受けるのは1%弱で、その確率は非常に低いものです。術後20年が経過した時点でも、約80%は再手術の必要はありません。

──人工股関節置換術の際、切開を最小限にする手術法があると聞きました。

石部 MIS(最小侵襲=しんしゅう=手術)という手術法です。従来の一般的な手術法では15~20cmの切開が必要ですが、MISでは手術の傷は7cm程度です。CT検査結果をもとに、コンピュータが股関節の適確な位置へ誘導してくれるナビゲーションシステムを使い、治療の安全性・正確性を高めることで、ほぼすべての症例においてMISを行うことができます。

平山 傷が小さいことで、体へのダメージが少なく、手術したその日に立って歩く患者さんもいます。病状の程度により差はありますが、入院期間は4~12日程度です。術後の筋力の回復・改善もMISの方が早いというデータもあります。いち早く社会・仕事復帰できるのが最大のメリットといえます。

ナビゲーションシステムを使った人工股関節置換術のイメージ図
ナビゲーションシステムを使った人工股関節置換術のイメージ図
手術用のナビゲーションシステムは、GPSなどを使用して自動車の位置を検出するカーナビゲーションシステムと似た原理で、例えば、骨を切る際に、手術器具が対象となる骨のどの位置にあるのかという情報をモニターに画像で表示し、処置の結果をその場で確認できる。
──ナビゲーションシステムについて教えてください。

石部 CT検査で得られた骨のデータと手術道具に取り付けたセンサーを連動させ、手術の模様をモニターの中で立体的な画像として確認できるシステムです。車でいえばカーナビで、手術する医師が股関節のどの位置を処置しているかをモニターで確認できます。カーナビのサポートで車が道に迷わないように、このシステムを使うことでより安全で正確な手術が目指せるようになりました。

──人工股関節置換術を考えている方にアドバイスはありますか。

石部 人工股関節の患者さんは増えてはいますが、欧米に比べるとまだ少ないのが実状です。これは患者数が少ないのではなく、手術に恐怖心や誤解のある方が多いからです。病状が進行期や末期に達してしまっている場合、痛みを我慢する生活や痛みを抑える保存的治療を続けていても、劇的な改善は期待できません。体の他の部分にまで障害が生じてしまうケースも少なくありません。

 「どのタイミングで手術を受けるべきか」という質問をよく受けます。絶対的な基準はないので、再手術のリスクを避けるなどの理由から「症状が進行期段階以上で、60歳を過ぎていたら」との考え方を勧める医師も多いようです。しかし、先ほど述べたように再手術を必要とする確率は非常に低いです。また、40代などの早い段階で発症した人は、40~50代という人生の中で最も充実した時期を、痛みと付き合いながら生活していかなければなりません。それならば、早い段階で手術に踏み切って、痛みを気にせず、自らの後半生を満喫していただきたいというのが私たちの考え方です。

 必要以上に手術を恐れず、股関節に異変を感じたら早めに受診し、医師とよく相談しながら治療法を選ぶことが重要です。

「健脚寿命」を延ばして一生歩ける体を目指す


──股関節の痛みや、変形性股関節症は予防できますか。

石部 日常生活を送る中で、股関節に負荷が蓄積されるのは避けようがありません。だからこそ、立ったり座ったり、歩いたりといったひとつずつの動作で、少しでも負荷をかけないように意識することが、老いても健脚を維持するために必要なことです。とりわけ重要なのが「歩き方」です。靴底の減り方が左右で大きく違うようなら要注意。そうした歩き方のゆがみは股関節への負担として蓄積されていきます。理想的な歩き方のポイントは「着地はかかとから」を心掛けることです。足のかかとから着地したら、足裏全体を地面につけ、重心を徐々につま先に移動させましょう。そうすれば、踏み出しと着地の際の衝撃を、足首や膝の関節でバランスよく吸収できるようになります。また、背筋が伸びていなければ、かかとから着地できないので、自然と猫背も解消されます。単に股関節への負荷が軽減されるだけでなく、長い距離を歩いても疲れにくくなり、健康長寿に繋がる適度な運動量の確保にもつながります。

平山 体重を管理して適正体重を維持することも重要です。股関節や脚の健康のためには、五大栄養素をバランスよく取った上で、特にたんぱく質やカルシウムを意識して取る必要があります。主食、主菜、副菜のそろった献立で、さまざまな食品から偏りなく栄養を取ってください。自分の食生活が健康的かどうか、体重の増減や、健康診断の結果から定期的にチェックすることも大切です。

──最後に読者にメッセージをお願いします。

平山 股関節は身体の中で最も大きく、最も酷使されている関節です。立つ、座る、そして歩くといった日常生活のあらゆる動作において、大きな負担を受け止める『要』の役割を担う。だからこそ股関節を健康に保つことが重要なのです。

石部 何歳になっても身の回りのことは自分でやりたい。できるだけ長く、趣味や仕事も続けたい。その願いを実現するには心身の健康が必要です。中でも、股関節をはじめとする各関節にトラブルがなく、自分の脚でスタスタ歩けるというのは、いくつになっても人生を楽しむために大切なことの一つです。

 自分の脚でスタスタ歩ける期間のことを、私は「健脚寿命」と呼んでいます。股関節を健康に保ち、健脚寿命を延ばすことは、人生の幸せな時間を伸ばすことにつながっています。私は医師ですから、どれほど重症の患者さんでも、適切な治療・手術を施して、症状の改善を目指します。しかし、できればそうなる前に、一人でも多くの人に、股関節や腰やひざといった関節の健康を保てるような生活習慣に気を配ってもらいたいと思います。


人工股関節治療に特化したクリニック

石部基実クリニック
札幌市中央区大通西5丁目1-1 桂和大通ビル38 10階

電話:

011-206-7663(平日 9:00~12:00)

011-206-7688(平日 13:00~18:00)

●診療科目/整形外科
●休診日/水、土、日、祝日
●診療時間/9:00~18:00(完全予約制)
●アクセス/地下鉄大通駅3番出口 西側より徒歩約1分

【WEB】http://www.dr-ishibe.net/
【石部基実クリニック 患者の会】http://ishibekanjya.web.fc2.com/


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