【PR】北海道眼科医会

自覚症状なく気付かず進行

緑内障 早期発見・治療を

  視神経に障害が生じる目の病気で、中途失明原因の第1位の緑内障。40歳以上の約20人に1人がかかっているとされるが、自覚症状が表れにくく、気付かずに進行しているケースも多いこのため北海道眼科医会は10月22日、道内65の診療施設で40歳以上を対象に「緑内障無料検診」を行う。

 緑内障の症状や治療法などについて、北海道眼科医会公衆衛生担当理事の眼科医の鈴木康夫先生に話を伺った。

──緑内障はどのような病気ですか。

 緑内障とは眼圧の上昇などにより網膜から脳につながっている視神経が障害され、視野が欠けてしまう(見える範囲が狭くなる)病気です。日本人が人生の途中で失明する原因のトップで、中途視覚障害の原因疾患の約4分の1を占めます=図1=。

 加齢とともに増加する病気で、岐阜県多治見市で行われた世界的にも有名な疫学調査によると、40歳以上の20人に1人、約5%が緑内障であることが判明しました。今後、高齢化が進んでいくと緑内障の患者さんはさらに増えると予想されます。

──どうして、視神経が障害されるのですか。

 緑内障がなぜ起こるのか不明な点もありますが、明らかな原因に「眼圧の上昇」があります。眼球の形状を保っている液体(房水)の排出が滞り、眼圧が上昇して視神経が圧迫され、徐々に視野が狭くなったり欠けたりしていくのです=図2=。

 緑内障にはいくつかのタイプがあります。房水の出口がふさがれ、眼圧が急速に上がるのが「急性緑内障」です。全体の約1割と発症頻度は低いですが、放っておくと数日で失明にいたる危険性もあり、緊急の治療が必要です。これに対し、緑内障の大部分を占めているのが「慢性緑内障」です。加齢などが原因で、房水の出口にあるスポンジのような組織が目詰まりすることなどで眼圧が上昇し、長期間かけて進行します。

 日本では、慢性緑内障の中でも、眼圧が正常範囲なのに視神経が弱り発症する「正常眼圧緑内障」の患者さんが過半数を占めます。

──緑内障を自覚して受診される患者さんは多いですか。

 多くありません。緑内障を抱える日本人は中高年を中心に400万~500万人にのぼると考えられていますが、その中で治療を受けているのは10人に1人とされています。

 初期から中期にかけては自覚症状がほとんどなく、また、何年、何十年もかかって少しずつ視野が狭くなっていくので、なかなか気付きにくいのです。

──見えにくくなると、気付きやすいように思いますが。

 慢性緑内障の初期には、視野の中心より少しずれたところで視野が欠けはじめます。中期になると、見えない範囲がさらに広がりますが、この段階でも異常に気付かないことが多いです。

 視野が欠けているのに気が付かないのは、目の見え方と脳に関係があります。視野の欠けた部分を脳が補完し、あたかも見えている化のように錯覚させるからです。脳というフィルターを通して物を見ていることが、緑内障の発見を遅らせる一因となっています。

 末期になると、見える範囲がより狭くなり、視力も落ちてきて日常生活に支障をきたすようになります=図3=。

──気付かずに進行しているケースも多いのですね。

 緑内障によって弱った視神経は再生されず、現代の医療技術では失われた視野を回復させることはできません。自覚症状がないからと治療せずに放置すると、病気は忍び寄るように進行し、気付いた時はすでに手遅れというケースもままあります。これが緑内障の最も怖いところです。

──治療法は?

 緑内障の治療は、眼圧を下げて視神経への障害を抑え、現状より悪化させないことが一番の目的となります。基本となるのは点眼薬による治療です。眼圧を下げる点眼薬にはいくつかの種類があり、必要に応じて数種類を組み合わせて使うこともあります。近年、複数の薬を点眼する煩雑さのない、2種類の薬が混ざったタイプの点眼薬(配合点眼薬)が登場するなど、点眼薬の種類がさらに増え、病気の進行を効果的に抑えることが可能になっています。

 点眼薬だけでは効果が不十分な場合、レーザー治療や手術療法などを行います。

──緑内障は予防できるのですか。

 予防は難しいですから、何よりも早期発見、早期治療がポイントになります。早く見つけられれば、目の機能に影響が出ないよう病気の進行を止めることができます。自覚症状のない早期に検査を受けることが、失明予防の観点からも重要です。40歳を超えたら、自覚症状がなくても年に一度は眼科検診を受けることが最も確実な対処法といえます。

──最後に、北海道の読者にメッセージをお願いします。

  今回、未受診の緑内障患者さんを見つけるために、10月22日(日)に北海道眼科医会の有志によって全道の65カ所の診療施設で緑内障の無料検診を行います。2013年に実施した無料検診では、2357人の受診者の5.3%(124人)が緑内障、緑内障の疑いにて再検査が必要と判定されました。

 現在、道内には15万人以上の緑内障潜在患者さんがいると推定されています。視野や視力は生活の質に直結することです。これを機会に、緑内障のことを深く知っていただき、病気の早期発見・治療の大切さを認識してもらいたいです。一人でも多くの対象者に検診を受けていただきたいと願っています。

企画制作/北海道新聞社広告局
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