帯広市内の緑ケ丘公園で、利用者によるエゾリスへの餌付け行為が常態化しており、同公園を管理する市みどりと花のセンターは餌を与えないよう注意喚起する看板を増設した。エゾリスが警戒心を緩めて人慣れし、利用者がかまれたり引っかかれたりする被害も報告されている。同センターは、野生動物と適度な距離を保つよう利用者に促すといった取り組みも進めている。
10月下旬の日の午前、同公園内の歩道「彫刻の径(みち)」で、高齢の男女数人が木の幹のくぼみに落花生を埋め込んで回る姿が見られた。木にはエゾリス5匹が群がり、落花生を奪い合っていた。公園ではこうした光景が日常的になっている。
2021年6月~22年2月に市みどりと花のセンターが実施した餌付けの実態調査によると、確認された餌付け行為は、利用者からの情報提供も含め197件。回収した餌付けごみの総量は落花生のからなど約20キロだった。
同センターによると、約40年前は同公園でエゾリスが見掛けられることは珍しく、石を投げたり追いかけ回したりする人がいた。このため、市民団体が「リスを知る機会をつくろう」と、市の許可を得て餌台を設置した。
2000年代以降、寄生虫や細菌による感染症のリスクが知られるようになり、市などが注意を促すとともに餌台も撤去されたが、利用者の餌付け行為はそのまま定着してしまったという。
利用者がかまれたり、肩まで登ってきて爪で引っかかれたりしたというケースが報告されている。帯広百年記念館によると、広さ50・5ヘクタールの公園内のエゾリスの生息数は30~50匹。密度としては高い方で、同館の池田亨嘉学芸員は「餌付けの影響の可能性は捨てきれない」と話す。その上で「密度が高まるとリス同士の衝突が増え、リスのストレスも増えるという研究もある」と指摘する。
同センターは10月末、「餌を与えないで」の看板のほかに、エゾリスに手を振ることを呼び掛ける看板も一新した。リスが自分より大きな生き物から注目されることで動物が本来備えている警戒心をかき立てる狙いがあるという。
同センターの大熊勲副センター長は「動物たちと緩やかな距離を保ち、『餌を持ってないよ』と優しく手を振ってほしい」と話している。(沼田駿)
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