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<社説>米中首脳会談 台湾海峡の危機回避を

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 バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談した。主要議題は中国が軍事圧力を強める台湾問題だった。

 バイデン氏は「台湾海峡の平和と安定を損なう試みに強く反対する」と表明した。

 習氏はペロシ米下院議長の台湾訪問計画を念頭に「火遊びは自らを焼き滅ぼす。米国が明確に理解するよう望む」と強く警告した。

 台湾海峡を巡っては、中国軍機が中間線を越えたり、米海軍の駆逐艦が通過したりして緊張が高まっている。偶発的な衝突につながりかねず、懸念が尽きない。

 両首脳は対話を継続し、危機回避に向け、最大限の努力をしてもらいたい。

 会談でバイデン氏は、中国本土と台湾は不可分だとする中国の立場に異を唱えない「一つの中国」政策を維持する方針を示した。

 バイデン氏は5月の日本訪問時に、台湾防衛に米国が軍事的に関与すると発言している。

 台湾の基本政策を変えないことを示して関係悪化を避けつつ、中国が武力による現状変更に動くことを抑止することも狙っているのであろう。

 習氏は、ペロシ氏の訪台中止に強いこだわりをみせた。

 米下院議長は大統領権限の継承順位が副大統領に次いで2位の要職だ。現職下院議長の訪台を許せば1997年以来となり、習氏の体面が傷つくことになるからだ。

 相互不信が増す中では、協力できる分野を模索して、信頼醸成を図ることが重要となる。両首脳が意思疎通の継続で合意したことは一定の成果と言える。

 米国は秋に中間選挙を控える。中国も5年に1度の共産党大会が予定される。両首脳とも、米中関係を安定させた上で、当面は内政に専念したい思惑も透ける。

 会談ではウクライナ情勢も話し合われたが、米中ともやりとりの公表を控えている。

 中国はロシア寄りの態度を示してきた。しかし国際法違反の侵略を続けているのはロシアだ。プーチン大統領と近い関係にある習氏こそ、停戦を働きかけるべきだ。

 米国は中国を「唯一の競争相手」としているが、ウクライナ問題では協調が必要となる。中国がロシアに武器供与などを行えば、戦争終結は遠のこう。

 バイデン氏の大統領就任以来、両首脳の電話やオンラインの会談は5回を数える。率直な意見交換をするためにも、対面での会談を早急に実現する必要がある。

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