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<みんなの相談室>【質問】「音うるさい」上の階の住人が床たたく

 会社員の40代男性です。賃貸マンションに住んでいるのですが、数カ月前から上の階の住人が、床をたたいたり「うるさい!」と怒鳴ったりしてきます。管理会社に相談すると、私たちの生活音が耐えられず注意しただけだと言っているとのことですが、私たちは普通に暮らしています。いつ嫌がらせを受けるかわからず、緊張で具合が悪くなりそうです。今後、どのように対応すればよいでしょうか。

【回答】我慢の限度超えるか、まず確認(弁護士・今井明日香さん)

 上の階の住人は、あなたの部屋の生活音への苦情として怒鳴ったり、床をたたいたりしたと説明しているようです。しかし、集合住宅で隣家に生活音が全く聞こえないようにすることは難しく、ある程度の生活音は社会生活上、受忍すべきものとして、お互いに我慢することになります。

 我慢するべき生活音の限度については、画一的な基準はありません。騒音トラブルが問題となった裁判例は音の種類や大きさ、継続性、時間帯、防止策をとったか、話し合いの経緯など、さまざまな事情を考慮して、騒音による不法行為が成立するかどうかを判断しています。

 一方、音が大きい、継続している、夜間の騒音、効果的な防止策をとる努力をしない、不誠実な対応をした―などの事情があると、受忍限度を超える騒音と判断されやすくなります。

 例えば、子供が騒ぐ音でも、事情によって受忍限度を超えると判断した裁判例と、超えないと判断した裁判例があります。

 まずは、上の階の住人が主張する生活音がどのようなものであるか、管理会社に聞くなどして再確認し、受忍限度を超える可能性がある場合は、音を抑える努力や、防音対策を検討しましょう。受忍限度を超えるようでなければ、上の階の住人が我慢するべきだ、ということになります。

 それでも、繰り返し怒鳴ったり、床をたたいたりして執拗(しつよう)に嫌がらせをするのであれば、上の階の住人の行為は相談者の平穏な生活を害し、精神的苦痛を与えるものとして、不法行為に当たる可能性があり、慰謝料などの請求が検討できます。

 ただ、訴訟で争う場合には、相談者が怒鳴られたり、床をたたかれたりしたことを記録するなどして証明する必要があり、簡単にはいかないこともあります。それほど難しくない手続きによる解決を希望する場合には、裁判所で話し合いをして紛争の解決を図る民事調停の利用も一つの手段になるでしょう。

<略歴>いまい・あすか 1981年、神奈川県出身。子どものころ米国で暮らした経験があり、英語が堪能。学生時代に旅行した北海道が気に入り、民間企業勤務を経て2008年に北海道に移住。12年に札幌弁護士会に登録。

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