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<市場発!>漁獲激減のスルメイカ 資源回復は今年も見込めず

 早朝の札幌市中央卸売市場で、スルメイカのセリが行われていました。

新鮮なスルメイカのセリ。黒々としたイカが次々に競り落とされる
新鮮なスルメイカのセリ。黒々としたイカが次々に競り落とされる


 ちょっと、指で押してごらん-。市場の関係者に促されて、イカの表面に触れてみると、黒い模様がさっと動きます。「まだまだ、表面が生きているからね。活きがいい証拠だよ」

 スルメイカは4回色が変わるそうです。泳いでいるときは透明。釣られて陸に上がった直後は薄白色。すぐに黒々とした色になり、鮮度が落ちてくると濁った白色に変わる。「真っ黒に見えるのは新鮮だから。皮をむくと身の色は透明。コリコリとした歯ごたえが味わえます。手に入ったら、絶対に刺し身で食べてほしいですね」(丸水札幌中央水産の伊原修一マネージャー)

 6月に北海道内のスルメイカ漁が解禁され、7月は漁の最盛期を迎えます。しかし、今年も市場に入荷するスルメイカの量は伸びていません。「1ケース5キロで、今は1日に400~500ケースくらいしか入ってきていません。数年前まで、1日5千ケースは来ていたのですが…」(丸水札幌中央水産の高橋永輔サブリーダー)

 10年ほど前まで、スルメイカはたくさんとれる海産物の代表格でした。札幌市中央卸売市場にも大型トレーラー3台にスルメイカが満載されてやってきたといいます。道南や後志地方などで水揚げされた大量のスルメイカをいかにさばいていくかが、水産卸の腕の見せどころだったそうです。

黒光りするスルメイカ。かつては1日5千ケースが入荷することもあったが、今は10分の1の水準だ
黒光りするスルメイカ。かつては1日5千ケースが入荷することもあったが、今は10分の1の水準だ


 スルメイカの不漁が毎年のようにニュースで伝えられています。今年はどうでしょうか。北海道立総合研究機構函館水産試験場が6月14~21日に実施した日本海側の資源量調査での漁獲匹数は、2010年以降で最も低い水準でした。今年も資源量はほとんど回復していないようです。


 スルメイカの北海道の漁獲量をみると、最近になって極端に減少していることがわかります。2021年は20年実績をわずかに上回りましたが、7年前の10分の1の水準です。「スルメイカは1年魚ですが、親となる昨年のイカの数が少なかったから、今年も急に増えるということはありません。年10万トンなどという漁獲量はまず望めないでしょうね」(丸水札幌中央水産の伊原マネージャー)

 なぜ、これほどまでにスルメイカの資源は減ってしまったのでしょうか。道総研函館水産試験場の三原栄次主任主査はいくつか要因を指摘します。「スルメイカは東シナ海で生まれた後、日本沿岸を北上するのが従来の来遊ルートでしたが、最近はロシアの沿海地方近くを来遊しているようです。このため、近年は日本近海の沿岸ではほとんどとれません。さらに、海外の漁船の管理されていない漁によって、資源量が減少している面もあります」。自然条件と人為的な条件が複合的にからみつつ、スルメイカの不漁は定着しつつあるようです。

函館市は「イカのまち」を自任するが…
函館市は「イカのまち」を自任するが…


 安くておいしい夏の味覚だったはずが、すっかり量が減って、価格も上昇しています。「イカのまち」函館も様子は一変していました。

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