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<社説>2022参院選 憲法論議 順守の徹底こそ急務だ

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 参院選で、改憲に前向きな勢力が国会発議に必要な「総議員の3分の2以上」の議席を占めるかが焦点の一つになっている。

 自民党が早くも、選挙後に改憲原案を国会提出し発議を目指す方針を示しているからだ。

 通常国会では衆参の憲法審査会が過去最多の計23回開かれた。これまでは幅広い合意を重視してきたが、衆院は協調の原則をほごにし、多数決で議論を推し進めた。

 自民が主導する改憲ありきの運営手法は強引と言うほかない。

 ウクライナ危機で高まる安全保障上の懸念に乗じ、憲法9条への自衛隊明記や専守防衛に反する敵基地攻撃能力を巡る議論も進む。

 だが共同通信の世論調査では岸田文雄政権下の改憲に4割が反対する。順守の徹底こそ急務だろう。

 選挙戦では国際平和をうたう憲法の理念をみつめ直し、主権者たる国民が権力を縛る憲法のあり方について議論を深めてほしい。

 自民党は自衛隊明記、緊急事態対応、合区解消、教育充実の4項目について条文イメージを示し、公約で早期改憲を訴えた。

 公明党は必要な規定を付け加える加憲の立場を取る。自衛隊明記は公約で「検討を進める」と踏み込んだが、なお慎重な姿勢だ。

 日本維新の会は自衛隊明記とともに教育無償化や統治機構改革、憲法裁判所設置などを求める。

 改憲勢力には今回、緊急事態条項の創設などを公約に盛り込んだ国民民主党が加わる形となる。

 ただ、9条を巡る姿勢や重点項目では温度差があると言える。

 立憲民主党は「論憲」を掲げ、内閣による衆院解散権の制約などの議論を深めるとする一方、9条への自衛隊明記には反対する。

 共産党は「前文を含む全条項
を守る」とし、社民党も「いま
憲法を変える必要はない」との
立場だ。

 選挙戦では安倍晋三、菅義偉両政権下で相次いだ憲法軽視の姿勢も改めて問われるべきである。

 安倍政権は集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法を成立させた。この法律は違憲の疑いが濃いが国会論議は尻すぼみだ。

 また両政権は憲法に基づく野党の臨時国会召集要求を無視した。

 憲法を巡る論点は多岐にわたるが、すべては順守が前提である。

 選挙戦では歴代政権の憲法への姿勢もしっかり論じてほしい。

 改憲は国と国民との関係を大きく変える可能性がある。これまで以上に各党の主張を吟味する必要があろう。

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