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<社説>教育政策 現場を直視しているか

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 未来を担う子どもが健やかに育ち、社会で生きていくために、教育の機会を広げることが欠かせない。

 参院選では与野党を問わず、教育の無償化や児童手当の拡充といった負担軽減策を公約に掲げている。

 新型コロナウイルス禍により教育格差の拡大が懸念される中、教育を受ける権利の保障は重要性を一層増している。

 日本の教育への公的支出は先進国中で低い水準にとどまる。十分な予算を充てることが不可欠だが、これまでの論戦では財源確保策が明確になったとは言えない。

 社会の将来に直結する教育は、長期的な視野で取り組む必要がある。各党は現場の実態に即した議論を深めてもらいたい。

 教育費の家計負担で特に重いのが、大学など高等教育の費用である。国公立、私立いずれも授業料の上昇傾向が続き、進学や学業継続を諦める若者が少なくない。

 個々の能力を発揮するには高等教育の役割が大きい。2020年度に高等教育の修学支援制度が導入されたが十分ではない。

 公明党は返済不要の給付型奨学金の拡充を掲げる。立憲民主党と日本維新の会は高等教育までの無償化、共産党は大学・専門学校の学費半減と将来の無償化を示す。

 国民民主党は「教育国債」創設による予算の大幅増を掲げる。国の借金を将来世代につけ回すことにならないか懸念が残る。

 一方、自民党は学費を就職後に納める「出世払い」制度を大学院に先行導入する構想を示す。さらに「国の成長に貢献する高度専門人材の育成」も強調している。

 高等教育で中間所得層への修学支援拡充も打ち出している。ただ教育の機会均等を重視する他党に対し、政権党として格差是正へのより踏み込んだ政策がほしい。

 学校現場では教員不足や長時間労働が恒常化し、教育に必要なゆとりが失われている。不登校やいじめ、子どもの貧困など地道に取り組むべき課題も山積する。

 各党は選挙戦で聞こえの良い政策を並べるだけではなく、現場の実態を直視し、具体的な処方箋を示すべきだろう。

 教育政策を巡っては近年、教員免許更新制や大学入試制度改革など過度の政治主導が混乱を招いた。理念が先走りし、現場の実態把握を怠ったことが大きな要因だ。

 子どもや教員、保護者といった当事者の声にしっかり耳を傾けることが必要である。

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