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<社説>核禁条約会議 廃絶への具体的行動を

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 核兵器禁止条約第1回締約国会議は「核なき世界」の実現が急務だとする「ウィーン宣言」と、締約国を増やすなどの「行動計画」を採択して閉幕した。

 宣言は「核廃絶への決意を再確認した」と強調し、ウクライナを侵略するロシアへの名指しを避けながらも「核兵器使用の脅しに危機感を強めている」と表明した。

 行動計画は、核保有国に核軍縮義務を課す核拡散防止条約(NPT)との関係について「核禁条約とNPTは補完し合う」として、調整を進めることを盛り込んだ。

 今後、実行力が問われよう。

 核保有国は、核兵器を違法化した核禁条約に賛同する非核保有国の声を強く認識する必要がある。

 米国の核抑止力に頼る日本は条約を批准せず、会議にも参加しなかったが、唯一の被爆国として具体的行動を起こすべきだ。

 核禁条約を批准した国・地域は2021年の条約発効時の51から65に増えた。今回の会議には北大西洋条約機構(NATO)加盟国を含む30を超える国がオブザーバー参加した。

 冷戦終結以降、核の危機が最も高まっている中、核廃絶を目指す国際社会のうねりが大きくなっていると言えよう。

 ウィーン宣言の特徴は、核保有国に加えて「核の傘」の下にいる同盟国に対しても「核への依存を減らす真剣な取り組みを行っていない」と批判したことだ。

 日本やNATO加盟諸国は重く受け止めなければなるまい。

 オブザーバー参加したNATO加盟のドイツ、オランダなど4カ国は「核なき世界」の目標は共有するとしながらも、核の同盟でもあるNATOの立場から、条約は批准しないと説明した。

 会議での役割を期待されながら参加しなかった日本に対し、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の事務局長は「日本は(核保有国と非核保有国の)橋渡し役にはなれない」と断じた。

 このままでは「核なき世界」の動きから取り残されかねない。

 日本は次回の締約国会議への参加を真剣に検討すべきだろう。

 現状では、核保有国やその同盟国が核禁条約を批准する可能性は低いものの、核廃絶に向けては核保有国と非核保有国が共に参加するNPTとの連携が重要となる。

 8月のNPT再検討会議には岸田文雄首相が出席する。指導力を発揮して、被爆地広島で来年開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)につなげてもらいたい。

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