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<社説>2022参院選 低投票率の懸念 若年層の関心高めたい
公示4日目を迎えた参院選で議席の行方とともに関心を集めるのが投票率だ。国政選挙の投票率は近年低迷し、とりわけ若年層の落ち込みが目立つ。
選挙は民意を国政に反映させる重要な機会であり、民主主義の基盤だ。低い投票率で限られた民意を基に政治が進められることがあってはならない。
1票の積み重ねが政治を動かし、それが私たちの暮らしに良くも悪くも影響を及ぼす。そのことを忘れずに投票権を行使したい。
政党や候補者は政策を分かりやすく提示して争点を明確にし、有権者の関心を喚起することに力を尽くすべきだ。選管も交流サイト(SNS)などを活用し、積極的な啓発に努めてもらいたい。
共同通信社が今月中旬に行った全国世論調査で、参院選に「関心がある」は65%で、「関心がない」は35%だった。無関心層が少なくないことは憂慮される。
公示直後の全国世論調査では与党優位が伝えられたが、あくまでも現時点の情勢だ。最終的に議席を決めるのは一人一人の投票行動であるのは言うまでもない。
2019年参院選の道内投票率は53・76%で戦後4番目の低さで、年代別調査では30代以下で低投票率の傾向が一層顕著だった。
ウクライナ危機は遠い海外の出来事ではない。北方領土周辺の漁業にも支障を来し、北海道経済に与える影響は小さくない。
コロナ禍の長期化に伴う地域経済の低迷も続く。選挙を機に、日々の暮らしや日本の将来に必要な政策を改めて考えたい。
少子高齢化社会の進展に伴い、社会保障政策は高齢者に重点が置かれる傾向にある。若者が積極的に投票所に足を運ぶことは、税金の使途に若年層の意向をより反映させる契機ともなるだろう。
18歳選挙権が始まって既に6年がたつ。各大学や高校でも、投開票日まで選挙の意義を伝える取り組みを続けてほしい。
北海道新聞室蘭報道部と室蘭工大教授が先月に実施した共同調査では学生から「オンライン投票の導入」を求める意見が目立った。
実現にはさまざまな課題があるとはいえ、未来を担う世代の声を真摯(しんし)に受け止め、時代に合わせた選挙制度を追求する必要がある。
今回は旭川市や帯広市などの選管が商業施設に期日前投票所を設置する。来春の統一地方選に向け各選管は有権者が投票しやすい環境の拡充を急ぐべきだ。