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北海道ガス新社長の53歳・川村智郷氏 就任会見で語った全て

 北海道ガス(北ガス)の定時株主総会と取締役会が24日、札幌市内で開かれ、前執行役員デジタルトランスフォーメーション・構造改革推進本部長の川村智郷(ちさと)氏(53)が社長に就任した。北ガスの社長交代は14年ぶり。前社長で、北ガスの電力小売り事業を確立するなど数々の改革を実行した大槻博氏(72)は代表権のある会長に就き、新社長をバックアップしていく。川村社長は24日夕、大槻会長とともに札幌市東区の本社で就任記者会見に臨み、再生可能エネルギー電源の整備を進めるなどして「北海道独自のエネルギーモデルをつくり上げたい」と抱負を語った。(三坂郁夫、生田憲、三島七海)

就任記者会見で抱負を語る北海道ガスの川村智郷社長=24日、札幌市東区北7東2の北ガスグループ本社
就任記者会見で抱負を語る北海道ガスの川村智郷社長=24日、札幌市東区北7東2の北ガスグループ本社


 川村社長は後志管内余市町出身。早稲田大学教育学部卒業後、1992年に北海道ガスに入社し、エネルギー企画部長、次世代プラットフォーム検討プロジェクト部長などを歴任した。新規事業やデジタル化など、会社の将来につながる仕事に携わり、成果を挙げてきたことが評価され、2021年4月に執行役員になってからわずか1年で社長に抜てきされた。

 川村社長、大槻会長の記者会見でのやりとりは次の通り。

記者会見に臨む北海道ガスの川村智郷社長(右)と大槻博会長
記者会見に臨む北海道ガスの川村智郷社長(右)と大槻博会長

■デジタルと再エネに注力

 大槻「みなさんお忙しい中ありがとうございます。14年社長を務め、次の社長に交代ということで今日、株主総会、取締役会で承認されて、私が会長で、新社長の川村という新体制になった。振り返ると北見の事故(2007年1月のガス漏れ事故)の後を受け、安全の再生から天然ガス普及拡大に取り組み、ちょうど国産の天然ガスからLNG(液化天然ガス)に変わる時期に、石狩のLNG基地の建設、基地の整備、それから電力への参入、いろんな普及拡大策、この社屋の建設などいろんな事を手掛け、あっという間の14年で充実していた。やりたいことはたくさんあり、言えば切りがない」「ちょうど、社長になった時に『プログレス2020』という事業計画をつくり、事故の後にいかに事業を成長させるか(考えながら)やってきた。(その後)2030年に向かう『チャレンジ2030』の骨子も組み立てることができた。わが社も若い社員が増えてきて、2050年に働き盛りを迎える社員が結構な数を占めるようになった。新社長以下、若いメンバーに、世界的に不透明な時代だが、新しい事業など力強く切り開いてもらいたいとバトンタッチした。みなさんお世話になりました。引き続きよろしくお願いします」

「14年間充実していた」と社長時代を振り返る大槻会長
「14年間充実していた」と社長時代を振り返る大槻会長


 川村「先ほどの株主総会・取締役会で新社長に就任した。創業110年の歴史ある会社の新社長として就任する。身の引き締まる思いだ。これから経営を担っていくにあたり、われわれの主な事業基盤である北海道の2030年、2050年を考えていきたい。北海道は課題先進地域と言われているが、豊かな自然のある大変魅力的な土地だ。私もここで生まれ育ち、愛着もあるので、ぜひこの地域の発展に努めていきたい。われわれ北ガスグループ全体の発展には、地域の発展が必要。地域とともに成長していきたい。具体的には『チャレンジ2030』をベースにして事業運営していくが、その中でも特にスピードアップして取り組みたいと考えている事業が2点ある。まず、デジタルの活用。これは個別の施策ということではなく、全てのベースになると思う。もう1点はカーボンニュートラルに関する取り組みで、再生可能エネルギー、再生可能電源の調達に力を入れる。当面は比較的中小規模ではあるが、北海道の再生可能エネルギーをしっかりと活用し、独自のモデルをつくりたいと考えている。環境変化のある厳しい状況のなかでの社長就任だが、スピード感をもってチャレンジし、グループ全体の成長を目指したい。一方で、エネルギーの安定供給と保安の確保は最重要事項であり、もちろんしっかりやっていきたい」

北海道ガスが取得した稚内市の風力発電所(北海道ガス提供)
北海道ガスが取得した稚内市の風力発電所(北海道ガス提供)


 ――デジタル活用に取り組むという話だが、前任は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の担当部長だった。やはり、ご自身の担当がデジタル関連だったことで社長に指名されたと思っているか。また、どういう部分にデジタルを生かしていくか、活用していくお考えか。

■社長打診に驚き

 川村「社長に就任した後も引き続きデジタルに関しては本部長を兼任していく。ただ、デジタル関連のことを昔からやっていたわけではない。どちらかというと活用側というか『新しいことに取り組む』という(仕事をしてきた)部分で(社長に)選ばれたのかなと思う。これまでの経験のなかでも、電力小売りなど新たな事業を担当することがあった。デジタルをしっかり活用するという視点で選ばれたのかなと思う」「デジタルを活用したい点は大きく二つ。一つはお客さまとの関係強化。デジタル技術による遠隔自動化などで関係を強化したい。二つ目は業務プロセスの抜本的な改革。具体的なシステム作りにも手を付けている。仕事全体をシステムでひとつにつなぎ、効率化して抜本的に仕事の中身を変えていく。この二本柱で進めたい」

 ――社長指名に関して、いつどういう場面で、大槻会長からどういう言葉をかけられたのか。受け止めを含めて教えてほしい。

 川村「実際にお話があったのは、今年の1月。年を開けて少ししたくらいだった。驚いたというのが正直なところ。事細かに言葉を覚えているわけじゃないが『会社全体をしっかり見てほしい』というか、バランス感覚を認めてもらって声をかけていただいたと聞いた。(これまでの仕事で)会社全体を見る経験があったので、そこが評価されたのかと思う」

 ――大槻会長に聞く。デジタル関連ということはあると思うが、53歳の川村新社長を抜てきした理由は何か。14年間、社長を務めてきて、なぜ今のタイミングで決断したのか。

 大槻「交代しようと思ったのは昨年末。それまでは、もう少しやるかなという気持ちと、一方で『チャレンジ2030』も骨子が出来たので、これを(新社長に)引き継ぐのもタイミングとしては良いかなと。迷っていたが、正月をはさみ、若い力で次の時代を切り開いていくほうがいいなと思い、トップを譲ることにした。一気に若返ったのは、適任者は何人かいたと思うが、デジタルトランスフォーメーションの時代にどうやって事業を作り直していくかということが急務と考えた。全体の執行体制のバランスを見ると、経験も大事だが、一気に若返った方が会社としては前に進んでいけるかなと思った。世の中を広く見れば、53歳でも特に若いわけではない。(北ガスのような)公益事業も若い世代が引っ張っていく時代だ。実務的な部分を含め、結果的にこうなった」

「若い世代にバトンをわたしたい」と語った大槻博会長(左)と川村智郷社長
「若い世代にバトンをわたしたい」と語った大槻博会長(左)と川村智郷社長


 ――11年ぶりに会長職が置かれ、大槻さんが就任した。社長と会長のすみ分けはどのように考えているのか。また、大槻さんが会長に残り、年齢が上の役員もいるなかで、新社長は仕事がやりにくくないか。

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