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<市場発!>何だこれ?人気上昇中の「氷漬け野菜」

 たくさんの野菜が集まる札幌市中央卸売市場。多くの野菜は段ボールに入れた状態で取引されていますが、ある一角にだけ、真っ白な発泡スチロールが集まっています。

札幌市中央卸売市場の青果棟。野菜の多くが段ボールに入って運ばれる中、真っ白な発泡スチロールが並ぶ一角がある
札幌市中央卸売市場の青果棟。野菜の多くが段ボールに入って運ばれる中、真っ白な発泡スチロールが並ぶ一角がある


 近寄ってみると、発泡スチロールの側面には「ブロッコリー」と書いてあります。なぜ段ボールではなく、発泡スチロールに入れて流通しているのでしょう。発泡スチロールのフタを開けてみると、びっしりと氷が詰まっており、ブロッコリーがその中で氷漬けになっていました。

 氷の分だけ重量は重くなり、運賃もかさむはずです。それでも氷漬けにして運ぶ理由は何なのでしょうか。

完全に氷に「埋まった」状態で流通するブロッコリー
完全に氷に「埋まった」状態で流通するブロッコリー


 「ブロッコリーは、花のつぼみの部分を主に食べる野菜です。常温で置いておくと、つぼみが膨らんでどんどん黄色くなってしまいます。花が開くときに栄養を使ってしまうので、開いた株はおいしくありません。また、そのときに漬物のような嫌な臭いが発生してしまうので、氷漬けで流通しているんです」(札幌みらい中央青果の木下忠部長)

 北海道内ではこれから、ブロッコリーの収穫が本格化します。卸売市場に入荷するブロッコリーは、4月から6月中旬までは九州や四国、東北など道外産地からの商品が中心ですが、6月20日を過ぎたころから北海道産の露地栽培品が一気に増えてきます。昨年は夏場に雨が少なく、気温が高い日が多かったことから、北海道産の出荷数量が伸びませんでした。さて、今年はどうでしょうか。

 後志管内倶知安町でブロッコリーをつくる農家、青柳雄三さん(38)を訪ねました。「今年はこれまで朝晩、涼しい日が多かったため、少しブロッコリーに生育不足がみられます。それでも昨年より2~3日ほどの生育の遅れです。6月最終週には収穫作業に入れると思います」。若干の遅れはあるものの、気温が低い分、傷みは少なく、昨年以上の収穫が見込めるとのことでした。

 もっとも、収穫予定日から10日ほど前の6月17日に青柳さんの畑に伺った時点では、まだブロッコリーの株の中に、つぼみは見えていませんでした。

収穫まで10日ほどになったブロッコリー畑。まだ、可食部のつぼみは見えてこない(6月17日撮影)
収穫まで10日ほどになったブロッコリー畑。まだ、可食部のつぼみは見えてこない(6月17日撮影)


 本当にこれで10日後には収穫可能な大きさになったつぼみが出てくるのでしょうか。「ブロッコリーは生育が早い野菜です。つぼみが出てくるとすぐに成長します。そのため、収穫可能な日が3日ほどしかありません。面積に合わせた収穫要員がいないと、収穫作業が追いつかなくなります」(青柳さん)

 2年前、2020年8月に、ブロッコリーを収穫する青柳さんを取材したことがあります。夏の収穫期は早朝4時30分から作業が始まります。ブロッコリーの収穫は機械化が難しく、自分の目で大きさを確認し、一つずつ根元をナイフで切り取っていました。

夏場は早朝からブロッコリーの収穫作業が続く(2020年8月6日)
夏場は早朝からブロッコリーの収穫作業が続く(2020年8月6日)


 「早朝からの収穫作業は大変ですが、それほど初期投資がかからずに作れることもあって、ブロッコリーは農家の人気が高い野菜になっています」(青柳さん)

 ブロッコリーは国内で生産量が増えている数少ない野菜です。少子高齢化もあって、軒並み野菜の生産量が伸び悩む中で、なお農家の作付面積も出荷量も増加傾向が続いています。


 なぜ、生産意欲が引き続き衰えていないのでしょうか。右肩上がりが続く理由を探ってみました。

■道内世帯の消費量、10年で1・8倍に

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