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<宇野沢デジタル委員が読み解く>衝撃スガイディノス、再生のカギはボウリング 市場縮小の中…
5月30日に民事再生法の適用を申請したスガイディノスは北海道内で18店舗を運営しています。その業務内容はゲームセンターとボウリング場、映画館の主に3種類の娯楽施設の運営です。
4年前にスガイディノスを買収した北海道SOキャピタル代表の小笠原一郎さんは、この3事業のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も受けていた事業はボウリングだったといいます。「全店で売り上げがコロナ前の半分ほどになってしまいました」。ゲームセンターの売り上げが8割ほどを維持していたのとは対称的により大きな影響が出ていました。
みなさん、最近、ボウリングで遊んでいますか?
ボウリングの市場規模は、コロナの感染拡大が始まる前から減少傾向が続いていました。日本生産性本部の「レジャー白書2021」によると、ボウリングを年に1度でもしたことがある「参加人口」の数は、全国で2011年に1690万人いたものの、コロナ禍直前の2019年には930万人と45%も減少していました。さらにコロナ禍のさなかの2020年には510万人まで減ってしまいます。
20年の長期でボウリング場の市場規模を見ると、市場の衰退ぶりを顕著にみることができます。
厳しい市場環境の中でボウリング場の営業は苦戦し、次々と姿を消していきました。業界団体の資料などから、北海道内のボウリング場のレーン数を調べたところ、20年前に比べて、ほぼ半減していました。
長期にわたって縮小傾向が続くボウリング市場について、実際のボウリング場の運営者はどう見ているのでしょうか。釧路市中心部に46レーンの大規模施設を持つ釧路パレスボウルの石田健太郎総支配人(46)を伺いました。
釧路パレスボウルは1階に28レーン、2階に18レーンがあります。しかし「コロナ禍になってからボウリングの利用者は半分ほどに落ちています。だいぶ感染状況が落ち着いた今(2022年6月)でもコロナ前の65%くらいしか回復していません。会社や業界団体などの懇親会や親睦会、子どもの謝恩会のような集まりがまだ十分に戻ってきていません」(石田さん)。ボウリング場の不振は現在進行形で続いているようでした。
コロナの感染拡大が起こって以降、2階のレーンを使った回数は「2年間で2回あったかどうか」(石田さん)だそうです。石田さんが釧路パレスボウルの運営に携わり始めた2010年当時は、2階も含めてにぎわうことも多かったそうですが、参加人口の減少とともに施設の稼働日数はめっきり減っていきました。
ほとんど利用しない施設でも、メンテナンスに費用と労力はかかります。「2階のスペースを有効に使うため、事業の再構築を進めています。2020年には2階のレーンの半分を壊して、ボルダリング施設を造りました」
照明が付いていなかった残りの2階のレーンも、すでに取り壊しが決まっています。6月末に解体工事を始め、10月にはゴルフシミュレーター10台と練習用のグリーンに生まれ変わってオープンします。「ボウリングだけでなく、ボルダリングとゴルフも加えて、室内で快適にスポーツができる場所として提供したいと考えています」(石田さん)。ボウリングの市場縮小にともない、事業見直しを急ピッチで進めていました。
スガイディノスは北海道内のボウリングレーンの約2割を占める208レーン(7月2日に閉店する「ディノスボウル札幌麻生」を除くと178レーン)を運営する道内有数の規模の事業者です。再生スポンサーには「右肩下がり」が続いているボウリング事業を含めた3事業の承継が条件になっています。
新しいスポンサー企業の下で、ボウリングを含め、現在の規模での営業を継続できるのでしょうか。スポンサーに手を挙げている企業に取材してみました。
■スガイディノス、スポンサー候補企業に聞く「応募の理由」
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