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希代の点取り屋、折茂らしさ貫く 引退試合、戦友集い花道飾る
最後まで、得点を挙げることに全力を注ぐ折茂らしさを貫いた。好敵手として戦ってきた引退選手や現役のBリーガー、同僚らが競うように託したパスを、次々とゴールに沈める。コートに立った34分20秒で実に42得点。5月に52歳を迎え、最後の公式戦出場から2年以上たったことを感じさせないプレーに、「上出来で、自分でもびっくり。昔の感覚がよみがえってきた」と感慨深げだった。
前半は引退選手で構成する「チームレジェンド」でプレーし、後半は現役選手でつくる「チーム9」に加わった。前半は12得点だったのが、後半に30得点を挙げ、チーム9を80―76の勝利に導いた。前半に3割ほどだったシュート成功率は、後半に3点シュートが4割超、2点シュートが6割超に跳ね上がった。生来の負けず嫌いが、疲れるはずの時間帯で、むしろ感覚を研ぎ澄ませた。
現役の27シーズン、調子が良くても悪くても、シュートを打ち続けた。「僕のために体を張ってスクリーンをかけ、ボールを集めてくれる仲間がいる。だから昔、(1試合で)20点を取るのは簡単だったし、1万点以上を取ることができた」と振り返る。こうした戦友たちへの深い敬意が、多くの選手に慕われ、花道を飾る盛大な引退試合につながった。
試合後セレモニーの最後、折茂はひざまずき、コートの中央に口づけした。「自分がコートで戦える最後の機会で、もう戻ってくることはない。つらいことも、うれしいこともあった」との感情があふれた。日本出身選手で初めて、トップリーグで1万得点を挙げた希代の点取り屋。熱く激しく完全燃焼して現役生活にピリオドを打った。(安房翼)
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