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<デジタル発>「政治って意外と面白いかも」 インターン経験 学生たちが感じたギャップ
3年に一度の参議院議員選挙が7月10日投開票の日程で行われます。若者の低投票率や「政治離れ」が長い間、指摘されてきましたが、中には実際に政治家の事務所でインターンシップを経験し、「政治を見る目」ががらりと変わったという学生たちもいます。若い世代の投票率の向上を目標に活動するNPO法人「.jp(ドットジェイピー)」北海道支部と北海道新聞による、参議院選挙に向けた共同企画の第2弾として、議員インターンの経験者たちに聞いてみました。「議員の仕事って無駄だと思う?必要だと思う?」(報道センター 大矢太作)
ドットジェイピー(本部・東京)は、若い世代の投票率の向上を目標に活動するNPO法人。全国31拠点で600人以上の大学生スタッフが活動し、春と夏の年2回、大学生が国会議員や地方議員のもとでインターンシップできるプログラムを提供している。北海道支部は6月現在、札幌の大学生を中心に20人が所属。所属メンバーとは別に、年間約120人の大学生が2カ月にわたる議員インターシップを経験し、国政選挙や統一地方選などの選挙に合わせ、投票すると飲食店の割引などを受けられる「センキョ割」を企画している。北海道新聞はドットジェイピー北海道支部と共同し「若者と選挙」を考えていきます。
Q:インターシップの経験を教えて。
堀田佳苗さん(19)=北大2年:私は1年前、大学1年だった夏に、立憲民主党の石川香織衆院議員=北海道11区(十勝管内)=のもとで12日間、やりました。何かインターンをしようと思って、ネットで検索したら出てきたのでという感じです。面白そうだから、とりあえずやってみようと思って。
岩渕航平さん(20)=北海学園大3年:僕は2020年の夏に2カ月びっしりやりました。新型コロナウイルスがひどかった時期です。恵庭市議会の無所属の柏野大介市議にお世話になりました。もともと政治に関心があって、政治家の活動が見てみたいと思ったのがきっかけです。
遠藤優斗さん(20)=小樽商科大3年:インターンシップは2021年、札幌市議会の自民党の松井隆文市議=手稲区=のもとでやりました。
Q:インターンって実際には何をするの。
堀田さん:私は朝9時に事務所に行って、そこから街頭演説についていきました。十勝は広い。農協や町長さんと会談して、車で戻ってくるとか。牛乳が余ってしまってどうしたらいいか、途上国に輸出したらいいけど、法整備が追いついていないから厳しいと議論したりとか、そういう地元の問題を話しているのが面白かったです。
遠藤さん:僕の場合は、インターン生が自分の思想に左右されてほしくないと語る議員さんだったこともあり、議員さんがテーマを設定して、インターン生同士でディスカッションをすることが多かった。当時は自民党総裁選があったので、総裁選に出ていた岸田文雄さん、河野太郎さん、高市早苗さん、野田聖子さんの政策や主張を見比べて、自分たちだったらどの政策が支持できて、どの政策が支持できないのかっていうのを自分たちなりに、理由もつけて発表もしました。そんな風に自分たちで政治について調べる機会を与えてくれました。
Q:印象的だったことってある?
岩渕さん:僕は2カ月間でいろいろな活動をさせてもらいました。街宣活動もしたし、戸別訪問もしたし。特に覚えているのは選挙カーに乗ったときです。ちょうど空知管内のある町で町長選があって、候補の応援に行く議員さんについていったのですが、周りに家もないところを選挙カーで走り回ったんです。畑の真ん中でマイク握って「○○をお願いします!」って言うんですけど、心の中で「誰もいないよ」って思いましたね。たまに人と会って手を振ってもらえると、すごくうれしくて。ただ、議員さんも「選挙カーは意味ないかな」みたいなことを言っていました。そう思っているのに「これをやらないで落選するのは嫌だ」と言っていたのが印象的でした。日曜日の街頭演説も2~3人。若者もいなくて、どれだけ地元にこの話が浸透しているのかなと考えてしまいました。
Q:インターンを経験して政治のイメージは変わった?
岩渕さん:僕はものすごく変わりました。180度変わったと思います。もともと僕にとっての政治家のイメージって、議場でしゃべって、選挙が近くなったら選挙活動をして、ほかはのんびりしているんじゃないかなという印象でした。現実は全く違いました。議会の前後もすごく忙しくて、とにかく車に乗って地元を走り回って、支援者の人に聞くこともあれば、知らない人に何か困っていることはないですかとか聞いたり、チラシを配ったり。とにかく地元に密着していて驚きました。
遠藤さん:僕もインターンする前の議員の印象って、議員が寝ている場面とか、海外視察で遊んでいるとか、そういう場面をテレビで見ていて、でも知らないで批判するのも嫌で、まずはやってみようと思ってインターンをしてみたんです。実際にやってみて、印象的だったのは、議会で議論する前の市役所の幹部からの事前説明の場面でした。実際に見させてもらったんですけど、自民党の議員なのに、市役所幹部に詰め寄っていたんですよね。「この予算の使い方ってどうなってる?」「実際にどれだけ効果出てるの?」「この金額じゃ足りないよね」って。結構、手厳しかったので意外でした。もっと「なーなー」でやっているのかなと思っていたんです。大きなギャップでした。
堀田さん:私は二つ変わりました。一つは、国会議員は全国規模の問題だけを国会で話し合っているイメージがありました。地元選出だけど、地元で何かということは特にないと思っていた。でも、十勝の問題とか、この工場が閉鎖してしまうとか、この問題は国じゃないと解決できないから国会に持って行くとか、そういう姿勢があったので驚きました。地元のおばさまとかともフレンドリーに話していて、地元のことをちゃんと考えているんだなって。二つ目は、野党の議員だったので、国会で何でも反対しているというイメージがあったんですけど、実際はそうじゃなくて。「ここはいいけれど、ここはこうしたほうがいい」みたいに街頭演説でも話をしていて。国のために頑張るという姿勢は自民党とかほかの党と同じで、一部の主張が違うだけで、メディアには反対の姿勢が多く取り上げられているんだなと感じました。実際に自分の目で見ないと分からないと思いました。
Q:政治家になぜ良いイメージがないんだろう。
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