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<デジタル発>道民栄誉賞、スポーツが9割 「偏重」の理由は? 意外な役割も

 札幌市が2030年大会の招致を目指している冬季五輪は、ウインタースポーツが盛んな北海道の選手が活躍する舞台となってきました。今年2月の北京冬季五輪でも多くの道産子アスリートがメダルを獲得しましたが、閉幕後に「道庁が北海道ゆかりのメダリストに道民栄誉賞を贈った」というニュースがたびたび報じられたのを覚えていますか? その数は実に10人。歴代の受賞者は延べ93の個人・団体に上ります。ところでこの賞、いつから始まり、どんな人たちに贈られてきたのでしょうか。歴史をたどると、意外なルールや賞の役割が見えてきました。(報道センター 伊藤友佳子)

■授与の基準は?

 5月20日、北京冬季五輪のスピードスケートでメダルを獲得した4選手が道庁主催の道民栄誉賞贈呈式にオンラインで参加した。「大きな夢と感動をありがとうございました」。鈴木直道知事が声を掛けると、4人は画面越しに笑顔を見せた。

 4人は男子500メートル銅の森重航選手=根室管内別海町出身=、女子1000メートル金など四つのメダルを取った高木美帆選手=十勝管内幕別町出身=、共に女子団体追い抜き銀の佐藤綾乃選手=釧路管内厚岸町出身=と4月に引退を表明した高木菜那さん=幕別町出身=。森重選手には「栄誉賞」が、残る3人には「栄誉賞特別賞」が贈られた。北京冬季五輪ではこの4人を含め、北海道出身や道内を拠点に活動するメダリスト計10人が受賞し、贈呈式は多忙なアスリートのスケジュールを縫って3回に分けて行われた。

オンラインで行われた贈呈式に出席する4人。画面左上から時計回りに森重航選手、高木菜那さん、佐藤綾乃選手、高木美帆選手(5月20日)
オンラインで行われた贈呈式に出席する4人。画面左上から時計回りに森重航選手、高木菜那さん、佐藤綾乃選手、高木美帆選手(5月20日)


 報道では通称の「道民栄誉賞」が使われることも多いが、「北海道表彰規則」などによると、正確には「栄誉賞」と「栄誉賞特別賞」という。

 栄誉賞は主に文化、スポーツの分野で「輝かしい活躍」をし、「功績が特に顕著」な個人や団体が対象だ。「輝かしい活躍」「功績が特に顕著」とややあいまいな基準もあるが、スポーツ分野では併せて《1》五輪のメダル獲得《2》世界記録の更新《3》国際的な大会で連続して最高の成績を収めること―など、より具体的な選考基準が定められている。

 高木美帆選手ら3人が受賞した栄誉賞特別賞は、過去に栄誉賞の受賞経験がある人が「栄誉賞と同等の功績」を挙げたと認められた場合に贈られる。3人は18年の平昌冬季五輪で既に栄誉賞を受けていた。

 これまでに栄誉賞は80の個人や団体、栄誉賞特別賞は13の個人に授与された。いずれも受賞者には賞状と1人8万円以内の副賞、もしくは盾が手渡される。副賞は道庁が道内企業の製品から選んでおり、今回は革製品製造販売のソメスサドル(砂川市)のカバンが贈られたという。

■圧倒的に「スポーツ優位」

 栄誉賞の歴代受賞者はスポーツ分野が76組、文化分野が4組の計80組で、実に95%がスポーツ分野だ。このうち「五輪メダリスト」は57組を占める。夏季と冬季の内訳は20組対37組と、冬季が6割超。ウインタースポーツが盛んな北海道の強みを物語っていると言え、道庁の文化振興課の担当者も「道内関係選手が冬季五輪に多く出場して活躍するため、自然とスポーツ分野の受賞者が多くなるのでは」との見方を示す。

■受賞者第1号は若松勉さん

 賞が誕生したいきさつは、少し説明を要する。

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