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#名ばかり解禁 #就活川柳 人材確保へ早期選考加速

 2023年春に卒業予定の大学生の就職活動が本格化している。就活日程を示した政府主導の「就活ルール」によれば、6月1日から企業の採用活動が解禁される。ところが実際は多くの企業が解禁を待たずに選考を行い、既に内定を出している。就職情報会社の調査では1日時点の内定取得率が7割を超えた。解禁とは名ばかりで、早期化の傾向は顕著だ。なぜこんなに早まっているのか。対面復活など今年の就活事情を川柳で読み解きながら、キャリアコンサルタントに解説してもらった。

 「インターン 休む間もなく 本選考」。川柳は就職情報会社ディスコの調査モニターの大学4年生が寄せたもの。インターンシップは3年生の夏休みから始まり、秋冬と続く。気づけば本選考に突入していた、そんな早期化の実態が読み取れる。

 「選考に 直結しないは 信じるな」。これもインターンが採用につながっていることを実感した就活生が後輩たちに助言しているのだろう。

■内定率は既に7割超

 ディスコによると、解禁日の6月1日時点の内定率は前年同期を5.1ポイント上回る76.9%に上った。リクルートの調査でも73.1%(前年同期比4.6ポイント増)となり、ほぼ同じ傾向だ。特に理系は82.5%(同4.2%)と文系より9.4ポイントも高く、理系人材の引き合いが強いことがうかがえる。

 内定率の高さについて、札幌市内で就活支援センター「キャンパスアド」を運営している元大学職員でキャリアコンサルタントの赤坂武道さん(45)はこう説明する。

 「企業の採用意欲は非常に高い。少子化を背景にコロナ前から学生優位の売り手市場と言われていた。それがコロナで約2年間採用が抑制された。その反動で今、若手人材を充足しようと積極採用に動いている。ただ誰でもいいから採用したいのではなく、できるだけ良い人材がほしい。優秀な学生は行動力があり、就活の動きだしも早いので、企業も早め早めに手を打つ。その結果、早期選考に拍車がかかっている」

■「学生優位」実感なく

 今は間違いなく売り手市場だと赤坂さんは断言する。そうはいっても就活生が「優位」を実感できるだろうか。

 「御社への 愛の行方は 非対称」。この川柳には志望企業から振られた就活生の悲哀が感じられる。「見るべきは 高嶺の花より 届く縁」という川柳にも似たような空気が漂う。

 既に道内金融機関から内定をゲットした北海学園大4年の三浦彩楓(あやか)さん(23)は「エントリーシートの段階で落とされることがあって、売り手市場を実感することはなかったですね」と振り返る。

 「友人と 探り探りで 会話する」。あいつ内定をもらったらしいよと耳にして、おまえはどうなの?とはなかなか聞けない。複雑な胸の内が表れている。北星学園大4年の池田大夢(ひろむ)さん(21)は「仲のいい友達でもあまり話さない。僕はスタートが遅れたので気後れもある」と話す。

 赤坂さんは「まだ内定がもらえてなくても大丈夫。人材を募集している企業は山ほどあるのだから。学生は就活を通じて必ず成長する。もし心が折れそうになったら視野を広げてみたらいい。世の中って案外若者には寛容なんだよね」と笑顔で励ます。(長谷川賢)


 コロナ下でも語れるガクチカ(学生時代に力を入れたこと)やメンタルケアのことなど、赤坂さんに聞いたインタビューの詳報はこちら

<取材後記> コロナ下で一気に広がったオンライン就活。授業も遠隔になった学生のほうが慣れるのは早かったようだ。服装や交通費など利点も多いが、企業の人事担当は「直接会ったほうが熱意を判断しやすい」と対面再開を歓迎する。「今の時期 急に対面 超焦る」。コロナ世代に特有の悩みか。(長)

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