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消えた「四島返還」(86)遠のくレガシー 譲歩不発、針路見失う官邸

■侵攻、戻った時計の針

 9日、東京・港区の在日ロシア大使館で、12日の「ロシアの日」を前に開かれた記念行事。1990年に新生ロシアが国家主権を宣言したことにちなんだ祝日の行事で、かつては日本の閣僚らも参加してきたが、3年ぶりに対面形式での開催となった今年の会場に、政府要人の姿はなかった。

 「日ロ関係の発展に尽力していきたい」。コロナ禍でオンライン開催となった昨年の行事には元首相安倍晋三がビデオメッセージで登場し、ロシア大統領プーチンとの通算27回の首脳会談を振り返り、「心と心」「人と人」がつながる交流を続けていく決意を語っていた。

 しかし、ウクライナ侵攻を受け、ロシアは対ロ制裁を発動した日本を「非友好国」に指定し、平和条約締結交渉の継続を拒否した。

 駐日大使ガルージンは9日の行事で、日ロ関係にはなお大きな可能性があるとしつつ、米国と協調する日本政府を厳しく批判した。長年、文化交流に取り組んできた日本人関係者は「今こそ対話が必要だが、政府間でその雰囲気が失われている」と肩を落とした。

 「時計の針がどれくらい戻ったか分からないね」。ウクライナ侵攻後、安倍は日ロ関係について周囲にこう漏らした。ただ、安倍が首相だった3年前から、日本外交は隣国ロシアにどう向き合うべきか、その方針を見失っていた。(敬称略)

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