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祭りの名称は誰のもの?商標登録巡り江差町内対立 神宮「第三者から守るため」 町は特許庁に異議申し立て

 北海道の江差町で約370年前から毎年夏に開かれている道内最古の祭り「姥神(うばがみ)大神宮渡御祭(とぎょさい)」の名称を同神宮が商標登録したことに対し、町が登録を認めた特許庁に異議を申し立てる事態となっている。神宮側は「第三者に登録される事態を防ぎ、祭りを未来まで守る」とするが、町は「祭りの名称は広く通用されている」として名称の独占使用に待ったをかけた形だ。対立の背景には両者が直接対話を避けていることもあり、専門家は「話し合いで解決を」と呼び掛けている。

 同神宮と氏子の総代会は同祭が2019年に道の無形民俗文化財に指定されて知名度が上がったことを踏まえ、昨年12月に特許庁に商標登録を出願し、今年3月に登録された。総代の中で代表権がある責任役員の1人折戸幸博さんは「伝統の祭りを100年、200年先まで守る公共目的で登録した」とし、非営利なら他者から名称使用料は徴収しないと説明する。だが商標登録は先願主義のため、神宮側は「第三者が駆け込み出願しかねない」として町を含む外部に出願の動きを一切漏らしていなかった。

 一方、町は4月に登録の事実を知り、神宮の宮司や責任役員に事情を聴くことなく、5月に「祭りは道の無形民俗文化財に指定されるなど一般的な名称として使われている」として特許庁に異議を申し立てた。

 町追分観光課は登録を知ったきっかけについて、一部の総代から商標権を根拠に補助金を求めるような働きかけが複数回あったと説明。祭りは神宮だけのものではなく、地域住民の公共財産だとの考えもあり、「名称の適切な利用法について協議したい」とする。

 商標登録に詳しく弁理士の資格も持つ札幌市の川上大雅(たいが)弁護士は、「地域の祭りは『みんなのもの』という意識が強く、独占使用の印象が強い商標登録は軋轢(あつれき)が生じかねない側面もある。商標の運用方法を話し合うことで解決できるのではないか」と促している。

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