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<デジタル発>辛みや爆音でヒグマ撃退 スプレー、轟音玉…対策グッズに効果アリ!?

 北海道は山開きのシーズンを迎え、ハイキングや山菜採りで山に入る機会も増えてきました。そうした中、今シーズンはヒグマ対策グッズへの注目がとりわけ高まっています。今年3月に札幌市の住宅街に近い三角山(西区)で冬眠穴の調査をしていた男性2人がクマに襲われて負傷。低い山や森に接した公園などでもクマと遭遇する可能性が高くなり、クマ撃退スプレーや爆音で驚かす手投げ花火を求める人が増えているといいます。効果はどのくらいあるのでしょう。使い方や処分方法を専門家に聞いてみました。(報道センター 内山岳志)

■人身事故で高まる注目

 「クマスプレーの購入と問い合わせ件数は昨年の3割増し。昨年の東区での出没に加え、三角山のような身近な山でヒグマに襲われたことで登山者の危機感が一気に高まった」。アウトドア用品店モンベル札幌赤れんがテラス店(中央区)で、クマ対策グッズを担当する樋口真一朗さん(25)はこう分析します。登山者や山菜採り愛好家だけでなく、仕事で山に入る林業関係者の購入も増えているといいます。

道内で注目が高まるクマ撃退スプレー(中川明紀撮影)
道内で注目が高まるクマ撃退スプレー(中川明紀撮影)


 クマ撃退スプレーは、トウガラシから抽出した辛み成分「カプサイシン」を顔に目がけて噴射し、クマなどの野生動物を撃退します。主に海外製で、噴射距離は一般的に6~10メートルあります。

 オホーツク管内遠軽町でヒグマ対策の研究に取り組む「羆(ひぐま)塾」の岩井基樹代表(59)は、撃退スプレーの効果について「至近距離では猟銃よりも有効」と話し、ハンターにも携行するよう呼びかけています。ヒグマは、威嚇するために人を目がけて突進し、数メートルの距離で急停止する「威嚇突進」(ブラフ・チャージ)をすることがあります。

 本当の攻撃か見極めることは難しいそうですが、十数回の使用経験から「突進が止まらない場合を想定し、木の後ろに回り込み、木を盾にすることで攻撃を避けることが重要。その状態で3メートルの距離まで近づいたらスプレーを噴射するのが良い」と話します。3月末に三角山で調査員2人が襲われた際も、襲われていないもう1人がスプレーを噴射し、撃退に成功しています。複数で行動する場合は、誰か1人が携行するのではなく、それぞれが持っていたほうが、より安全と言えそうです。

■ヒリヒリが収まらない

 記者の私の家にもクマ撃退スプレーがありました。有効期限を確認すると「2008年3月」とかなり古くなっていました。モンベルが扱うスプレーの場合、有効期限は製造から3年だそうです。モンベル札幌赤れんがテラス店によると、輸入に一定期間かかるため「購入後はおおむね2年半ほどで期限を迎える」といいます。

 製造から14年以上経過していましたが、まだ中身が残っていたので、辺りに人家のない山中まで行き、スプレーを使ってみました。


 マスクをして、噴射レバー軽くを押すと、勢いよく赤い霧状に中身が飛び出し、思わず「おおっ」とのけぞってしまいました。レバーを押しきるとおよそ5秒間、飛距離は5メートルほどありました。辛かったのはその後です。しばらくしてから車に乗り込んだところ、マスクに中身が付着していたようで、鼻から口にかけて猛烈にヒリヒリして、マスクを着けていられないほどでした。一緒に行ってくれた同僚に撮ってもらった映像を確認すると、向かい風に乗って、スプレーが顔にかかっていたようです。顔を洗っても2~3時間はヒリヒリが収まりませんでした。

■「轟音玉」「トド玉」も

 上級者向けのクマ対策グッズには、爆音で追い払う手投げ式の煙火(花火)があります。全国唯一の製造業者である北広島市の花火製造ヤマニ小原煙火の「動物駆逐用煙火」です。「轟音(ごうおん)玉」「トド玉」の名称でも知られます。

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