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<デジタル発>あなたはマスク外しますか? 「屋外では不要」国は緩和したけれど…

 新型コロナウイルスの流行が長期化し、私たちのマスク生活も3年目に入りました。気温が上がる夏を目前に、政府や専門家が「屋外で会話が少なければ、マスクを着用する必要はない」との見解を示しましたが、北海道内も含め、多くの人がマスクを着け続ける光景は今も変わっていません。心理学の専門家は、マスクを着用するかどうかは、大勢の人の振る舞いを見て自分の行動を決めるという心理が影響しているとみています。海外で進む「脱マスク」の生活は、いつ日本にやってくるのでしょうか。「脱マスクの行方」を展望してみました。(報道センター 大矢太作)

今も多くの人が屋外でマスクを着用する札幌市内=5月25日、札幌市中央区南3西4(石川崇子撮影)
今も多くの人が屋外でマスクを着用する札幌市内=5月25日、札幌市中央区南3西4(石川崇子撮影)


 日本より一足早く、着用義務の撤廃や緩和といった「脱マスク」の動きが進んでいるのが欧米です。欧米はもともとマスク着用の習慣がない国が多く、一時はマスク着用を義務づけた国でも、ワクチン接種率の上昇などに伴い、「脱マスク」が進んでいます。英国イングランドでは今年1月、ワクチンのブースター接種(3回目接種)が進み、流行するオミクロン株の重症化リスクも低いとして、屋内公共スペースでのマスク着用義務など大半の行動制限が撤廃され、2月下旬には感染者に対する隔離義務もなくなりました。英政府は「コロナとの共生」を打ち出し、外国からの入国の水際対策も撤廃しました。

2月に屋外でのマスク着用義務が解除されたフランスのパリで、大統領選の結果に沸く市民ら=4月24日(ゲッティ=共同)
2月に屋外でのマスク着用義務が解除されたフランスのパリで、大統領選の結果に沸く市民ら=4月24日(ゲッティ=共同)


 屋内でのマスク着用義務も3月に解除したフランスは、5月16日から国内の全ての公共交通機関でマスクを着ける必要もなくなりました。欧州航空安全局(EASA)も欧州での航空機内や空港で5月16日から乗客のマスク着用義務を解除するよう勧告しました。一時は1日当たりの感染者数が60万人を超えた韓国も、5月に屋外でのマスク着用義務を解除しました。

 米国でも大半の州で、マスク着用やワクチン接種証明などの規制が相次いで撤廃されました。ただ、一部では再びマスク着用を求める動きが出るなど警戒感も残っています。1日当たりの死者数は減少傾向にあるものの、4月に入って感染者数が再び増加しているためです。自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)やフォードは、ミシガン州の工場内でのマスク着用義務を再導入しました。ニューヨーク市も5月17日、警戒レベルを上から2番目の「高い」に引き上げ、屋内でのマスク着用を呼び掛けました。それでも、北海道新聞ワシントン支局の広田孝明支局長によると「屋外でマスクをしている人はもうほとんど見かけない」状況と言います。

マスク着用義務が緩和された米ニューヨークで遊ぶ子どもたち=3月7日(UPI=共同)
マスク着用義務が緩和された米ニューヨークで遊ぶ子どもたち=3月7日(UPI=共同)


 一方で日本政府は23日、新型コロナ対策の指針「基本的対処方針」を改定し、屋内外でマスクを外せる状況を初めて明記しました。地方自治体などから「マスクの基準が分かりにくい」との指摘が出ていたためです。熱中症のリスクが高まる夏を前に、国民の中でも着用の有無に対する関心が高まっていたことも背景にあります。

 新たな方針の基本的な考えは二つです。《1》距離が確保できなくても、屋外で会話がほとんどなければ着用の必要はない《2》屋内でも、距離が確保できてほとんど会話がなければ着用の必要はない―と明示しました。政府は「徒歩での通勤など屋外で人とすれ違う場合」「静かな図書館で読書する場合」などの具体例も挙げています。このほか、屋外で距離が確保できる「ランニング」や「鬼ごっこなどの外遊び」、体育館やプールを含め、「学校での体育授業」も不要としました。ただ、距離が近かったり会話をしたりする場合は、引き続きマスクの着用を推奨しています。


 コロナ感染が確認された2020年の初期から政府や専門家による「お願いベース」でマスク着用が定着した日本は、着用義務を解除して脱マスクを推し進める欧米などと違い、マスクを外すタイミングが明確ではありません。今回の方針は、事実上の緩和を意味しますが、東京都内や札幌などでは多くの人がマスクをしたままで、「脱マスク」は進んでいるようには見えません。


 共同通信社が21、22両日に行った全国電話世論調査では、政府のマスク着用基準の緩和について「適切だ」と答えた人は53・9%、「もっと緩和するべきだ」も15・2%でした。基準を「緩和するべきではない」の29・9%に対し、脱マスクを歓迎する人は世論調査上は多くいるように見受けられますが、実際にマスクを外す人が数字よりも少ないのは、いったいなぜなのでしょう。

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