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<社説>大企業の好決算 国内設備や人に投資を

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 上場企業の2022年3月期決算がほぼ出そろった。

 国民生活には逆風の資源高や円安が、多くの企業にとっては追い風となり、全体の純利益は前年より36%増えた。全体の3割の企業が過去最高益を記録するなど、好調さが目立った。

 グローバル企業が海外で得た利益は、成長する海外での再投資や内部留保に回ることが多い。

 国内の設備投資には向かわず、賃上げも一部にとどまる。大企業が好業績でも、中小企業や国民に幅広く波及しないのが近年の日本経済の特徴と言える。

 海外で利益を上げる大企業も、税や社会保険料で支えられる社会インフラの恩恵を受けている。

 原材料高や米利上げといった懸念材料はあるものの、国内の設備や人材への投資で還元する社会的な責務があろう。

 政府も国内投資や賃上げを促す政策を一層強化すべきである。

 鉄鉱石や石炭の高騰で大手商社7社がいずれも最高益となった。海外景気の回復を受けて鉄鋼や海運も好調だった。

 それらの企業は、配当増や株価上昇につながる自社株買いでの株主還元を予定している。

 ただ巨額の利益確保は為替相場や商品市況などの外部要因に恵まれた面もある。

 円安や資源高で苦しんでいる企業や国民は少なくない。株主だけでなく、下請けや取引先の企業にも振り向けてもらいたい。

 自動車の電動化や社会のIT化の波を捉えた企業も利益を増やした。新型コロナウイルス禍の影響が和らいだ流通やサービスなどの内需型企業も復調しつつある。

 コロナ収束後を見据え、デジタル化や人手不足に対応する投資を加速させていくことが肝要だ。

 今後の業績の行方は、原材料高を価格に反映できるかどうかが大きな要因となる。

 先月の民間調査では、約7割の企業が原材料のコスト増を価格転嫁できていないと回答した。

 立場の強い大企業が下請け企業にコスト増の負担を押しつけるようなことがあってはならない。

 下請け企業が大企業との取引価格にコストを適正に転嫁できるよう政府は監視を強めるべきだ。

 ロシアのウクライナ侵攻や供給網の混乱など先行きの不安要素は多い。22年1~3月期は多くの企業の業績が急減速している。

 経営者は国際情勢や資源価格の動向に目配りし、調達先の多様化などに知恵を絞ってほしい。

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