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<デジタル発>コロナの症状は軽いのに、亡くなる人が増えている なぜ? オミクロン第6波の不思議

 症状は比較的軽いのに、命を落としてしまう人が増えている―。新型コロナウイルスの感染第6波以降、高齢者を中心にこんな傾向が続いています。猛威を振るうオミクロン株は「毒性が弱く、重症化しにくい」とされているのに、一体なぜ? 背景を探ってみました。(編集委員 宇野一征)

 第6波の特徴を示す興味深いデータがあります。東京大の仲田泰祐准教授(41)=経済学=らの分析によると、東京都では第6波が到来した昨年12月以降の重症化率は3月16日時点で0・04%でした。ところが致死率は0・11%と、2倍超に上っています。重症化した人の割合よりも、亡くなった方の割合の方が多いという数字です。

 デルタ株が中心だった昨年夏の第5波と比べても、その異様さが分かります。第5波の致死率は0・31%で、重症化率0・66%の半分程度でした。オミクロン株より毒性が強いといわれるデルタ株でも、重症化率より致死率の方がずっと少なかったわけです。道外では同様の調査を独自に行っている自治体が複数あり、大阪府などでも致死率が重症化率を上回っています。


 多くのコロナ重症患者の治療に当たっている自治医大付属さいたま医療センター(さいたま市)の讃井(さぬい)将満副センター長(58)を訪ねると、こんな答えが返ってきました。「コロナ自体は軽症や中等症だが、心臓などの持病がコロナ感染の影響で悪化して生命の危機に陥る高齢者が多くなっています」

 同センターでは今年1月以降、飲食物などが誤って気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)性肺炎」や心不全など持病の悪化で命を落とすコロナ患者が「3割ほどいた」(讃井副センター長)。大半が高齢者だったそうです。大阪府の独自調査でも、4月11日時点の死者1755人のうち死因が「コロナ以外」は37%(653人)に上りました。直接の死因にかかわらず、感染者が亡くなれば国は全て「コロナ死」として計上しています。

 道内では、今年1月以降の死者は516人(4月27日時点)。大半が70代以上でした。札幌医科大の當瀬(とうせ)規嗣教授(63)=細胞生理学=は「高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が相次ぎ、コロナ自体が軽症であることから、病院ではなく施設内で対応せざるを得ない事例も目立ちました。このため容体の急変に対応できず、命を落とした高齢者も少なくない」と分析しています。

 見えてきたのは、持病を抱えた高齢者の感染激増の影響です。

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