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<社説>講和条約70年 対米偏重でない協調を

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 サンフランシスコ講和条約の発効から、きょうで70年を迎えた。

 第2次世界大戦の敗戦後、7年近く連合国軍総司令部(GHQ)の占領下にあった日本が独立し、国際社会に復帰した日だ。

 東西冷戦下で旧ソ連や中国は参加せず、米国をはじめ西側の自由主義陣営を中心に調印した。

 この日に日米安全保障条約も発効した。米軍の基地使用を認め、日本は再軍備の着手を約束した。米国との協力によって日本の安全を守る道を選んだと言える。

 冷戦終結後の今日、米国と中国や旧ソ連の継承国ロシアとの対立が再び激しくなり「新冷戦」と言われる。他方、日本の外交・安保政策は米国追従が加速する。

 日本を取り巻く情勢は大きく変化している。米国との協力に依存しているだけでは周辺国との良好な関係は築けまい。

 対米関係を維持しつつ、独自外交で各国と協調を図る努力が今まで以上に求められる。

 侵略戦争の末に敗戦した日本は、占領下で平和憲法を制定し、軍国主義から民主主義の国になることを世界に誓った。

 国際社会に復帰後は軽武装・経済重視路線を取り、それが日本の平和と繁栄の基盤になった。軍事力に頼らない協調路線が、諸外国から信頼を得てきた面が大きい。

 たださまざまな問題が残る。日本は「千島列島」を放棄し、この時から北方領土問題が始まった。日本は四島は含まれないとの立場だが、署名しなかった旧ソ連がロシアになってなお不法占拠する。

 日本の対米追従姿勢に対するロシアの警戒感は根強い。

 ロシアはウクライナ侵攻後には領土交渉の拒否を表明したが、到底認められない。

 四島は日本固有の領土である。

 条約発効で沖縄や奄美、小笠原は切り離され米軍統治下に置かれた。沖縄はこの日を「屈辱の日」と呼ぶ。9年前、安倍政権が「主権回復の日」として式典を行ったことに地元が反発したのは当然だ。

 現在も全国にある米軍専用施設の約7割が沖縄に集中している。

 来月15日は沖縄が日本に復帰して50年だ。その痛みに思いを致し、負担軽減を進めたい。

 アジア各国との賠償問題を先送りした復帰でもある。占領した植民地などの請求権については、特別協定で処理することとした。だが韓国の従軍慰安婦らとの個人請求権は今も解決していない。

 戦争に絡む責任問題と真摯(しんし)に向きあう姿勢を忘れてはならない。

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