3年間延べ420カ所のキャンプ場を巡ったライター 北海道の注目キャンプ場は?


北海道の280カ所のキャンプ場を紹介する書籍「北海道キャンプ場&コテージガイド2022-23」(北海道新聞社)の最新版が、4月上旬に刊行されました。著者はアウトドアライターの花岡俊吾さん。広大な北海道に数多くあるキャンプ場を知り尽くした花岡さんにインタビューし、注目のサイトや道内キャンプシーンのトレンドも紹介してもらいました。(ASATTE CAMP編集部)

目次
1. 1日6~7カ所を取材も
2. 施設情報、利用者目線で
3. おすすめキャンプ場3選
4. キャンプシーンに変化

はなおか・しゅんご 1965年、恵庭市生まれ。札幌の広告会社を経て、フリーに。企業の広報やウェブサイトの記事制作などを手掛け、特にアウトドア関連の取材・執筆に力を入れている。趣味はマラソンと山登り
はなおか・しゅんご 1965年、恵庭市生まれ。札幌の広告会社を経て、フリーに。企業の広報やウェブサイトの記事制作などを手掛け、特にアウトドア関連の取材・執筆に力を入れている。趣味はマラソンと山登り

1日6~7カ所を取材も

花岡さんは2020年度版から北海道キャンプ場&コテージガイドの取材・執筆を担当しているそうですが、これまでキャンプ場をどれくらい訪れているのですか?

最初の年の2020年度版は170カ所のキャンプ場を紹介し、全てのキャンプ場に行きました。2021年度版は184カ所を掲載。取材は前年に行った場所にも写真の撮り直しなどで再訪し、結果的には計50カ所ぐらいを取材で訪れました。ここ数年でキャンプ場も増え、2022年度版では280カ所を紹介していますので、取材は200カ所ほどまわりました。


2022年度版の北海道キャンプ場&コテージガイド
2022年度版の北海道キャンプ場&コテージガイド

ということは、3年間で延べ420カ所のキャンプ場を訪れたのですね!

取材は基本的に5月から10月の間にします。ただ、平日だとキャンプ場に利用者がいないこともあります。誰もテントを張っていない芝生を撮影するわけにもいかないので、多くの利用者がチェックインした後の土曜日の午後や日曜日の午前中、そして夏休み期間中に集中して取材します。
天気も大切です。雨や曇りでも写真撮影には厳しいので、天気の良い日や地域を選びながら集中的に取材を進めます。ですので、1日に6~7カ所のキャンプ場をまわったこともありました。

北海道は広いので、移動距離も相当ですよね。

2泊3日ぐらいで日程を組むことが多いのですが、だいたい1500キロくらいの移動距離になります。スケジュールの都合で札幌から松前町に日帰りしたこともありました。(片道でも300キロ以上!)



そのスケジュールだとキャンプする時間はないですよね。

そうなんです。取材したメモの整理や写真の処理もすぐにしなければならず、キャンプ場のランタンの明かりでは仕事が難しいので、宿に泊まることが多いです。本当はキャンプを楽しみたいのですが(苦笑)。

そもそも、花岡さんがアウトドアの取材に関わるようになったのは、どんなきっかけがあったのですか?

学生時代はスキーに熱中していて、アウトドアは身近でした。社会人になってからも家族でキャンプによく出掛けていました。フリーランスになってから、北海道の体験型観光の魅力を発信する仕事に携わるようになり、アウトドア関連の記事も執筆していました。3年前に道新さんのキャンプ場のガイド本を長年担当していた著者の方が辞めることになり、声を掛けていただきました。
実は、今から30年くらい前、1990年代の第1次キャンプブームの時に、他社さんなのですが北海道のキャンプ場ガイド本が発売されて購入したんです。網羅性があってキャンパーの視線で書かれた本で、愛用しました。「あんな本を作ってみたいな」と考えていたので、夢が叶ったような気持ちになりました。

北海道を駆け回りながらの取材で苦労したことはありますか?

2019年に取材を始めた時は手探りでした。試しに近場に行ってみようと思って当別町の道民の森に向かいました。ところが、5月下旬でしたがまだ雪がありオープンしていなかったのです。他にも火曜日に取材に行くと、休業日というキャンプ場もありました。

下調べが大切なのですね。ガイド本には料金や管理人の駐在時間などの基本的なデータに加え、キャンプ場内のマップなど施設の概要が一目でわかる情報が掲載されています。キャンプ場の情報をどのように伝える工夫をしていますか?

例えば写真は景色や立地などキャンプ場の全体像が分かる構図と、オートサイトの段差部分が視覚的に理解できる写真を撮影して部分的な機能を伝えるなど工夫しています。場内のマップも現地の管理人さんらとのやり取りで、「橋が壊れて使えない」とか「ここの遊具はなくなった」などという情報をもとに、できる限り現状を伝えています。


場内の詳しいマップや近隣の入浴施設や買い物ができるお店など役立つ情報を掲載
場内の詳しいマップや近隣の入浴施設や買い物ができるお店など役立つ情報を掲載

おすすめキャンプ場3選


北海道のキャンプ場を巡る花岡さんが、今、おすすめしたいキャンプ場を教えていただけますか?

白老町の「白老キャンプフィールド ASOBUBA(アソブバ)」は、上級者からファミリーまで楽しめるキャンプ場ですね。2020年夏に既存施設を全面リニューアルしてオープンしたキャンプ場です。ウェルカムホットドックのプレゼントや、サイトでハンモックが楽しめたり、上級者向けには川の目の前にテントを張れるエリアもあります。


白老キャンプフィールド ASOBUBA
白老キャンプフィールド ASOBUBA

白老キャンプフィールド ASOBUBAの紹介ページ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/666255

キャンプ歴に関係なく楽しめるキャンプ場ですね。

道南の江差町の「かもめ島キャンプ場」も素晴らしいロケーションでおすすめです。市街地側と防波堤でつながった島の上に広がる芝生サイトなのですが、日本海がぐるっと見渡せる、まさに絶景です。テントの設営地まで長い階段を上らなければいけないのですが、行った先では素晴らしい景色を独り占めできるのが最高です。


かもめ島キャンプ場
かもめ島キャンプ場

かもめ島キャンプ場の紹介ページ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/665860

写真からも見渡す限り、海と青空の景色が素晴らしいですね。最近はキャンピングカーも人気ですが、おすすめの施設はありますか?

オホーツク海側の紋別市にある「紋別ガリヤ地区港湾緑地」です。紋別港のそばにある広い駐車場を備えたキャンプ場です。夏にはキャンピングカーの見本市と思うほど、全国からキャンピングカーが集まってきます。見知らぬキャンピングカーオーナー同士が仲良くなって一緒に焼き肉を楽しむなど、素敵な交流があるのが魅力です。


紋別ガリヤ地区港湾緑地
紋別ガリヤ地区港湾緑地

紋別ガリヤ地区港湾緑地の紹介ページ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/666028

キャンプシーンに変化


北海道には本当に多くの魅力的なキャンプ場があることを改めて感じます。近年、キャンプシーンがさらに盛り上がりをみせる中で、変化を感じることはありますか?

全体的にキャンプ場の料金が値上げされています。50円~200円くらいが多いですが、値上げ幅がもっと大きなキャンプ場もあります。利用者が増加したことで、受け入れ側のコストも増えていることが背景にあるのではないでしょうか。また、ペットの受け入れがOKのキャンプ場もじわじわと増えています。ただ、キャンプ場の混雑時にはペットの管理をより徹底することが求められています。

予約不要だったキャンプ場が混雑により予約制を導入するケースも増えていますね。

そうですね。予約制の採用もそうですし、予約方法も電話やFAXだけだったのを、インターネットでも受け付ける施設が増えています。昔ながらの予約不要のキャンプ場がある一方で、ホテルのようなグランピング施設なども登場し、楽しみ方が多様化していると感じます。

キャンプ場での過ごし方には変化を感じますか?

ポータブル電源を持ち込んでゲームをしたり、スマホで動画を見たりして過ごす方もいますよね。ソロキャンプも増えましたが、ソロキャンパー同士でグループキャンプする「ソログルキャン」もトレンドですね。3人でキャンプ場に来ていても、テントはソロ用を3つ立てて、焚き火もそれぞれ。ご飯は一緒に食べながら、それぞれ自由な時間を過ごす。楽しみ方は本当に多様ですね。

取材を通して感じるキャンプの醍醐味とはなんですか?

出会いですね。キャンプ場で取材をしていると、「本を持ってますよ」と声を掛けてもらえることもあり、嬉しいですね。2022年度版からキャンパーさんのスナップ写真を掲載するページも設けました。国設知床野営場(斜里町)で出会った自転車で日本一周をしていた男性に出会ったり、屈斜路湖畔にあるRECAMP砂湯(弟子屈町)では、砂浜を掘ると温泉が出てくるのですが、その湯に浸かる子どもたちが撮影時にたくさん集まってくれたり。写真を見ただけでキャンプの楽しさが伝わるページとなっています。


取材中に出会ったキャンパーたちを写真で紹介するページ
取材中に出会ったキャンパーたちを写真で紹介するページ

あらためて北海道のキャンプ場の魅力を教えてください。

ロケーションの多様性ですね。海、湖、川、公園などさまざまな立地のキャンプ場があります。最近は自然を感じられる場所でありつつ、市街地も近くコンビニも歩いて行けるような周辺環境の利便性の高い施設が人気です。離島はどこも素晴らしいですし、ライダーが集う場所は旅情感が漂っていて好きですね。多くの方にもっともっと北海道でキャンプしてほしいですね。


「北海道キャンプ場&コテージガイド」は北海道の主要な書店で販売中です。また下記のリンクから購入することもできます。

UHBのキャンプ番組「WE CAMP!」も花岡さんにインタビューしました!動画の前編はこちら。ファミリー向けや初心者向けなど様々なおすすめキャンプ場を紹介しています。

<おすすめ記事>
キャンプ場の最新情報が満載「キャンプ場からのお知らせ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/outdoor/info

撮影協力
BBQハンバーガーcafe&クラフトビールBAR「CRAFTER’S CAMP」
札幌市白石区本通18南2-12
公式サイト
https://www.crafterscamp.com/

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