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<市場発!>輸入品値上がりの中、道産毛ガニ求めやすく
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、水産品を扱う卸売市場にも、その影響が少しずつ出始めています。
ロシアからの輸入に頼るタラバガニは20年末に卸値が1キログラム6千円だったのが、現在は1万円を超える高値で取引されています。同じくロシア産比率が高いズワイガニも割高な水準で高止まりしており、20年末の2千円台が5千円を上回る卸値になっています。今後、ロシアからの供給が滞れば、さらに価格の上昇が見込まれています。
これに対し、ちょっぴりではありますが、前年より割安になっているカニがあります。供給の多くを北海道産が占める毛ガニです。1キロあたりの卸値は5千円強で、前年の同時期(6千円程度)に比べて割安な水準にあります。
ロシア関連でなくても、高級海産物の価格高騰は続いています。その中で、なぜ、毛ガニはわずかとはいえ求めやすくなっているのでしょうか。「最も大きいのは、北海道が地元と協議して定める毛ガニの実質的な漁獲枠となる『許容漁獲量』が回復していることです。これから量がさらに多く出てくるとの期待感も強くあります」(カネシメホールディングスの広瀬学監査役)
オホーツク海沿岸の宗谷管内とオホーツク管内は、北海道内産の毛ガニの7~8割を水揚げしています。ただ、5年ほど前から毛ガニ資源量は大幅な減少が続き、2020年(漁の解禁日の3月15日からの1年)の許容漁獲量は、20年前の4分の1ほどの454トンまで減少していました。
ただ、漁獲を減らして資源回復が進んだことで、2022年は事前の調査で資源量の回復が確認されました。許容漁獲量は4年ぶりの水準を回復しています。
もっとも、より求めやすい価格が期待できるかというと、そうはならないようです。
22日には北海道でも新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのまん延防止等予防措置が解除になりました。毛ガニを多く扱う飲食店などでの需要が増えることで、価格はまた上向く可能性もあります。加えて、最近では「ある要因」から、1キロ5千円を割り込むような、より求めやすい価格にはなかなかならないとのことでした。