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<宇野沢デジタル委員が読み解く>人出減のススキノ、データに映る厳しさの構造

 全道で新型コロナウイルスの感染者が急増しています。

 道内で初めて、新型コロナの感染者が発表されたのは2020年1月28日でした。それから、感染者は増減を繰り返し、現在は感染拡大「第6波」に突入しています。

 このような状況になると気になってくるのが、飲食店を巡る動向です。過去の感染拡大の局面では、営業時間の短縮などの要請が行われ、十分な営業ができなくなってきました。

 特に北海道随一の繁華街である札幌・ススキノの関係者からは「いつ、また、営業制限が求められるのだろうか。不安だ」との声が聞こえてきます。

北海道随一の繁華街、札幌・ススキノ
北海道随一の繁華街、札幌・ススキノ


 今回の「読み解く」では、ススキノの人出のデータを取り上げてみたいと思います。

 通信大手ソフトバンク子会社の「Agoop(アグープ)」は、スマートフォンなどのモバイル機器の衛星利用測位システム(GPS)機能でとらえたビッグデータを基に、人工知能(AI)などを使って解析した地域の滞在人口のデータを2020年1月1日から1時間ごとに発表しています。1月19日時点で公表されているデータを使って、コロナへの警戒感がまだ強くなかった2020年1月初旬と、今年の人出を比較してみました。


 成人の日を含む3連休前日の金曜日の午後。ススキノの人出を20年と22年で比較しました。コロナ禍前であれば、仕事を終えた会社員などでススキノがにぎわいをみせていた時間帯です。

 国内でコロナの感染者が初めて確認される前だった20年の3連休前日(1月10日)は午後9時台に最も多い9万8千人超の人出がありました。しかし、22年の3連休前日(1月7日)は6万1千人ほど、その3日前に道内初の新変異株「オミクロン株」の感染者が明らかになっていたことも影響していたのかもしれません。

 22年の人出は、接待を伴う飲食店などに営業時間の短縮が要請されていた21年よりは増えていますが、コロナ禍前の20年と比べると37・8%の人出が減っていました。時間帯別の人出を比較すると、コロナ禍前にあった人出の山が低くなっており、ススキノがにぎわうはずの夜の人出の減り幅が大きいことが分かります。

 3連休中の人出もコロナ禍前の20年と比べると、大きく減少していました。

 20年の3連休初日の午後9時台には、10万1500人の人出がススキノにありました。22年は5万8600人にとどまり42・3%減でした。2日目も20年は7万8千人が集まっていますが、22年は36・6%減。最終日は20年の最大の人出は午後8時台で4万1千人がいましたが、22年は20・4%減っていました。人出が多かった日ほど、減少率が高く、人出の山が低くフラットになっています。

 2020年1月16日に国内初の新型コロナウイルス感染者が確認されました。ただ、この時点では、道内で感染者は確認されていませんでした。翌週の休前日(1月17日)もススキノは午後10時台に9万9千人の人出を集めていました。22年の成人の日を含む3連休後の休前日である1月14日の同時間帯の人出は5万4千人ほどで、45・4%減でした。

 感染拡大への危機感がススキノの人出を減少させているのでしょうか。そこで、まだそれほど、感染者が増えておらず、危機感も強くなかったはずの年始の三が日の人出も調べてみました。


 先ほどの成人の日を含む3連休前日のグラフと似たようなカーブになりました。正月三が日からススキノに繰り出す人は、3連休前日よりは少ないものの、20年1月3日の午後9時台には6万2千人を超える人出がありました。しかし、22年1月3日の午後9時台は3万5千人ほど。こちらも43・1%の大幅な減少でした。

 三が日の他の日も減少していました。20年1月2日は午後8時台に5万9千人の人出がありましたが、22年は43・3%減の3万3500人。元日は開いている飲食店が少なく、20年でも最大で午後9時台の2万9千人ですが、22年の同時間帯は18・3%減の2万4千人弱でした。

 イベントの有無や当日の天候などによる影響も大きいのですが、新型コロナへの危機感が弱まっていた年始でも、コロナ禍前と比較して、大きく人出が減っている傾向が見て取れます。

 自らもススキノで複数の飲食店を営むすすきの観光協会の大島昌充会長にデータを見ていただきました。「観光客、とくに外国人がいないことに加えて、来た人も多くの人が長時間の滞在をしなくなっている。街の形態が変わってしまうかも知れない」と、繁華街としてのススキノの先行きに危機感を募らせていました。

 ススキノの厳しさの構造はさらに、全国の他の地域の繁華街の同じデータと比べることで、浮き彫りになります。

 次からはアグープが人出のデータを公開している東京・歌舞伎町や大阪・キタなど、全国の繁華街とススキノの人出を比べてみたいと思います。

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