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<社説>統計不正報告書 国会で真相究明必要だ

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 国土交通省所管の建設工事受注動態統計の不正を巡り、外部弁護士らでつくる同省の第三者委員会がきのう、検証報告書を斉藤鉄夫国交相に提出した。

 不正の原因について、担当者の業務過多や幹部職員の現場任せなどにあると指摘した。

 職員間で証言が一部食い違っているほか、数値を是正する際などに隠蔽(いんぺい)工作とも受けとれる対応も判明した。しかし、より詳しい調査を行っていない。

 報告書は約3週間でまとめられた。17日の通常国会召集を前に、事態の早期収拾を図ろうとする岸田文雄政権の思惑も透ける。

 政策は統計の正確な数値に基づいて決めるものだ。だが国交省は会計検査院から指摘を受けても不正を一部続け、公表しなかった。

 統計を操作しても良いとする倫理観と責任感の著しい欠如と言える。行政全体の信頼を損いかねない深刻な事態であり、国会で真相を徹底的に究明すべきだ。

 報告書は数値の書き換えと合算処理について、この統計が始まった2000年より前の前身の統計から行われていたとした。

 13年4月に始まった受注実績の二重計上は、担当者が疑問を持たずに作業していたことが直接的な原因と記した。19年4月に着任した課長補佐が問題視するまで、誰も気づかなかったという。

 不正を当時知らなかったという幹部も多い。原因は現場との情報の分断などと結論づけた。

 だが管理職が打ち合わせで合算処理の話題が出た際にけげんな表情を見せたり、書き換えを説明する会議に出席したりしていたことが報告書で明らかになった。

 上司に相談したという係長の証言もある。管理職が不正を認識していながら、知らぬふりをしていたとの疑念は拭えない。

 政権の経済政策の成果を示すために二重計上を行ったのではないかという野党などの指摘について、報告書はその意図は確認できないとした。

 不正が法令違反に当たるかどうかについては言及しなかった。

 国内総生産(GDP)などに与えた影響も調査事項ではないとして触れず、明らかになっていない点は多い。

 現場が人手不足の上、担当者に専門知識が不足していることも不正の背景と報告書は指摘しており、現場の疲弊も深刻だ。

 国会は不正の全貌を解明し、統計を担う体制の抜本改革を議論していく責任がある。

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