PR
PR

<宇野沢デジタル委員が読み解く>ふるさと納税、道内最下位の村から見えたモノ

 年末もいよいよ押し迫ってきました。この時期になると、ふるさと納税先選びを進められる方も多いのではないでしょうか。

 2022年度の地方税控除を受けるには、21年12月31日までの申し込み、入金が必要です。08年に始まった仕組みですが、最近は多くの自治体が返礼品を充実させており、海産物や畜産品などの特産品を見比べながら、「納税先」を選ぶことが年末の楽しみになっている方もいるかもしれません。

 自治体側のふるさと納税の受け入れ件数は増加傾向にあります。2020年度の実績は全国で合わせて前年度比1・5倍の3489万件、金額は1・4倍の6725億円でした。

 道内でも179市町村と北海道、合わせて180自治体がふるさと納税を受け付けています。海の幸・山の幸に恵まれた北海道の返礼品は全国的にも大人気です。180自治体の受け入れ件数は576万8千件と全国でも2位の福岡県(242万5千件)を大きく引き離してダントツです。


 長期的な傾向を件数で見ると、道内で受け入れたふるさと納税の規模が年々増えていることが確認できます。全国に占める件数のシェアは上昇傾向にあり、2020年度は16・5%にまで上昇しました。

 ふるさと納税の受け入れ件数の多い道内自治体のランキングを作成してみました。


 件数ベースでのトップ3である紋別市、根室市、釧路管内白糠町は、全国規模でもそのまま上位3位までを独占します。金額ベースでは宮崎県都城市の135億円超に及びませんが、それでも2・3・4位を占めています。

 道内のトップ3市町に共通するのはホタテやカニ、イクラなどの海産品が人気の返礼品になっていることです。


 道内全体のふるさと納税受け入れ件数に対して、件数上位の自治体の占める割合を円グラフにしてみました。すると、上位5位までで全体の45%、さらに上位10位までをみると56%を上回りました。道内のわずか10自治体で残りの170自治体を上回るふるさと納税を集めています。

 これほどまでの「集中と偏在」が起こる一つの要因は、ふるさと納税先を選ぶにあたって多くの方が利用する「ふるさと納税仲介サイト」にありそうです。返礼品の「コスパ」を比較検討しながら、納税先を選択できるほか、面倒な手続きをしなくてもいい簡便さもあって、今はサイト経由の納税が多くを占めています。

 複数のサイトを閲覧してみると、なるほど、一部の自治体に人気が集まっている理由が見えてきます。多くのサイトの目立つ場所に「人気ランキング」があり、魚介類や牛肉など魅力的な返礼品の写真がたくさん並んでいます。思わず取材を忘れてクリックしたくなるものばかり。仲介サイトの上位ランキングに名前が出ている自治体の多くは、20年度もふるさと納税を多く集めている自治体でした。

 ふるさと納税をたくさん集めれば、自治体の財政を潤すことができ、住民サービスの向上にもつなげることが可能です。そのため、多くの自治体が、魅力ある返礼品を開発し、ふるさと納税集めに力を入れています。

 しかし、道内でも自治体の置かれている環境はどこも同じではありません。ふるさと納税に対する取り組み方もそれぞれ異なるはず。いつも取り上げられている受け入れ額の多い自治体ではなく、逆に件数が少ない自治体を調べてみました。

 道内で最下位だったのは、人口千人規模の小さな村でした。その納税件数は20年の1年でわずか19件。

 ただ、担当の方に電話で話を聞く限り、消極的ということもなさそうです。件数で道内最下位の自治体は、ふるさと納税に対してどう向き合っているのでしょうか。札幌から列車とバスを乗り継いで、現地に向かってみました。

ふるさと納税件数、道内最下位の村へ
ふるさと納税件数、道内最下位の村へ

残り:3630文字 全文:5178文字
続きはログインするとお読みいただけます。

【関連記事】
<宇野沢デジタル委員が読み解く>一覧へ
<データ@ほっかいどう>一覧へ

北海道のニュースがメールで届く
PR
ページの先頭へ戻る