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<並行在来線 迫る存廃 有識者に聞く>4 試される住民の本気度 いすみ鉄道元社長・鳥塚亮さん(61)

 ――利用者が少なく廃止が検討されていた千葉県の第三セクター「いすみ鉄道」の社長に2009年に就任し、さまざまな取り組みで注目されました。

 「沿線の住民たちは、本当に鉄道に愛着を持っていました。私が社長に就任した当初、鉄道は『乗って残そう』が合言葉。曜日ごとに当番を決め、用事もないのに列車に乗っていた。ただ、それでは苦行です。車内でお弁当を食べてもらったり、フォークソングの演奏会を開くうちに、鉄道にあまり関心のない地元の人も日常的に利用してくれるようになりました」

 ――観光列車も導入しましたね。

 「豪華なものではなく、車両にムーミンのシールを貼っただけです。ところが『かわいい列車』ということで、東京から女性客が来るようになった。お土産を買い、特産の伊勢エビを食べてSNS(会員制交流サイト)で発信もしてくれる。沿線地域全体に観光客が飛躍的に増えました」

■鉄路で地域PR

 ――経営も黒字に転換したのでしょうか。

 「営業赤字が年間1億5千万円ほど出ていて、地元自治体などが補填(ほてん)している状況ですが、沿線の人たちの意識は大きく変わりました。沿線の首長に『赤字ですいません』と謝ると『いやいいんだ。鉄道が地元のPRになってるから』と言われました。以前は赤字を『コスト』と捉えていたのが『地域への投資』と前向きに見るようになったのです。この言葉を聞いて、私の仕事は終わったなと思い、次の挑戦の場を新潟県のえちごトキめき鉄道に移しました。日本海を眺める観光列車『雪月花』などを走らせています」


<並行在来線 迫る存廃 有識者に聞く>
⇒(1)次世代考え沿線連携密に 新ひだか町長・大野克之さん(62)
⇒(2)鉄路とまちづくり一体で 鉄道系ユーチューバー・鐵坊主さん(53)
⇒(3)「赤字だから廃線」脱却を 関西大教授・宇都宮浄人さん(61)

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