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道東赤潮、見えぬ収束 「海水温下がれば…」予測狂う 稚ウニ放流控え焦り

 道東の太平洋沿岸を中心に続いている赤潮は、発生が確認されてから20日で2カ月が過ぎた。「海水温が下がれば収束に向かう」との漁業者らの見立ては覆り、11月に入っても、サケやウニを大量死させたとみられる有害プランクトンが高密度で検出されている。道東では来年以降に向けたウニの種苗放流の時期を迎えているが、被害が拡大した原因の解明は遅れており、有効な対策が講じられないまま漁業者は手探りの状態が続いている。

 「赤潮の数値がまだゼロにならない中で稚ウニをまいてもいいのか不安だ」。釧路管内浜中町の浜中漁協幹部は、ウニの種苗を放流して育つのか心配する。

 ウニの産地で知られる浜中町、厚岸町では例年10月中旬~11月上旬に行っている稚ウニの放流を赤潮の影響で1カ月延期した。だが、約500万粒の稚ウニの餌代はかさみ、冬場は施設の機材凍結の恐れもあるため、延ばしても12月までが限界という。

 釧路市の桂恋漁港で9月に赤潮が初確認され、死んだ秋サケなどが道東各地で揚がる中、漁業関係者は当初「水温が下がる10月には収束する」(川崎一好・道漁連会長)とみていた。しかし、10月上旬に、冷たい海水を好む有害プランクトン「カレニア・セリフォルミス」が国内の赤潮としては初めて見つかったことで、事態は長期化の様相を見せ始めた。

 道内の漁業被害額は今月12日現在で80億円を超え、国内の赤潮被害では過去最悪を更新している。深い海底にいるツブの被害把握もこれからで、被害額は膨らむ可能性もある。

 道の今月8~14日のモニタリング調査では、セリフォルミスは十勝、日高沖で依然として、漁業被害が出る恐れのある高い密度で検出されている。太平洋沿岸の海面水温は現在12度前後で、増殖速度が落ちるとされる9度に下がるには12月上旬までかかるという。

 プランクトンが大発生したメカニズムについては、北大の研究チームがロシア方面から流されてきた可能性を指摘。猛暑による海水温上昇や、競合関係にある別のプランクトンが少なかったために増殖したことも疑われている。

 だが、西日本以外で大規模な赤潮が発生するのは初めてで研究の蓄積がない。道はサケの稚魚放流など生産回復に向けた方策を探るが、魚がどの程度のプランクトン濃度で死ぬのかなど「解明がこれからなので対策の立てようがない」(道幹部)。西日本のこれまでの赤潮対策は、いけすの移動など主に養殖が対象で、北海道でどのような対策が打てるのかも未知数だ。

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