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オスプレイ訓練 住民の不安を直視せよ

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 日米共同訓練が来月5~9日に陸上自衛隊矢臼別演習場(根室管内別海町など)で行われる。米軍の輸送機オスプレイが矢臼別の訓練では初めて使用される。

 オスプレイは開発段階から墜落事故などのトラブルが後を絶たず、機体の安全性への懸念は払拭(ふっしょく)されていない。

 訓練は降雪期と重なり、夜間にも行われる見通しだ。気象条件が急変すれば、事故のリスクが高まり惨事になる恐れがある。

 地元住民の不安を解消しないままに、訓練を強行することは認められない。

 共同訓練は米軍が約60~70人、陸自は約150人が参加し、射撃やパラシュート降下を実施する。オスプレイ4機の飛行ルートは明らかになっていない。

 米軍が機密保持を優先し、地元自治体などに詳しい説明をしないのは沖縄でも常態化している。

 こうした姿勢を続ければ、日米安保体制への国民の不信感につながりかねないことを政府と在日米軍は肝に銘じなければならない。

 道と釧路管内厚岸町など地元4町は北海道防衛局に安全対策の徹底を求める要請書を提出した。防衛省は米軍に住民生活への影響を最小限にするよう要求すべきだ。

 訓練時間を午前7時から午後9時までと想定していることも看過できない。演習場の周辺は酪農地帯だ。低空飛行での騒音が、搾乳などに悪影響を及ぼすことを考えてもらいたい。

 矢臼別では1980年代から日米共同訓練が行われ、97年以降は沖縄の負担軽減策として米海兵隊の砲撃訓練などを実施している。

 オスプレイの訓練移転も同様の軽減策だが、基地周辺での騒音被害は減っていないとの指摘もある。これでは沖縄の痛みを全国に拡散しているだけではないか。

 道内の日米共同訓練でのオスプレイ飛来は、2017年と20年に続き3回目となる。

 オスプレイは16年に沖縄県名護市沖で墜落事故を起こし、今年8月には沖縄県上空を飛行中に部品落下事故が発生した。9月には仙台空港に緊急着陸した。

 安定運航とはほど遠い状況だ。広大な演習場を擁する道内で、訓練を定着させようとしているのであれば容認できない。

 政府には国民の安全を守る義務がある。危険を伴う訓練は国外移転を米国に求めるのが筋だろう。安全性に問題を抱える軍用機が、住民が日常生活を送る上空を飛び交うことはあってはならない。

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