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<みなぶん>コロナ対策「10万円給付」どう思う? 「不公平感」あらわに

 政府は新型コロナウイルス対策として、18歳以下への10万円相当の給付を軸とする大型の経済対策をまとめた。読者と調査報道に取り組む「みなぶん特報班」は11月中旬、無料通信アプリ「LINE」を使って通信員(フォロワー)に、給付をどう評価するか尋ねた。「給付するべきではない」とする回答と、給付要件の見直しを求める回答は8割に達した。給付が「適切だ」とする回答は1割にとどまり、道民が給付に対する不公平感を感じていることがうかがえる内容となった。(報道センター 野呂有里、川崎学)

 アンケートは11月15~17日に行い、336件の回答があった。

■「給付」に厳しい視線

 「10万円給付」の評価を尋ねると、42%が「給付するべきではない」と回答。「所得にかかわらず、一律に給付するべきだ」が33%、「所得制限を引き上げるべきだ」は12%と続いた。給付を「適切だ」と答えたのは13%にとどまった。


 支給の要件への異論が相次いだ。「世帯内の所得が最も高い人の年収が960万円未満」とされた要件について、札幌市手稲区の60代男性会社員は「仮に共働きで収入が1900万円を超えていても、夫婦それぞれ収入が960万円未満であれば給付される。所得制限がおかしい」と批判する。札幌市豊平区の30代男性会社員も「低所得層への分配機能を果たしていない」と指摘する。


 また、北斗市の30代の女性会社員は「子どものいない働き盛りの年代にも支給をするべきだ。働いていても、生活するだけで精いっぱいの人もたくさんいる」と訴えた。

 給付対象となる子どもの年齢を18歳で区切ることを疑問視する声も目立った。オホーツク管内小清水町の40代の男性会社員は「18歳以下の子どもより、大学や専門学校に通う方がお金がかかる」と指摘。大学生の子どもがいる札幌市豊平区の50代の男性会社員は「半年間で70万円、定期代で毎月2万円かかる。毎月の節約に手いっぱいだ」と、大学生を含めた年代まで一律で給付をするよう求める。札幌市豊平区の60代の主婦は「困っているのは18歳未満だけではない。消費税を数年なくすなどして、国民全員に恩恵がある方法をとるべきだ」と給付に反対する。

 一方、士別市の40代のパート女性は「子どもにお金がかかるので良い」、札幌市中央区の20代の男性会社員は「子育て支援は大事だ」といい、給付は「適切だ」と評価した。

 給付を巡る賛否があることに対し、子どもが給付金の対象となる札幌市西区の40代の会社員女性は「20万円をもらえるが、子どもがいなくて生活が大変な世帯はたくさんある。とても複雑な気持ちでいっぱい」と困惑する。将来世代の負担増を懸念する声も寄せられ、室蘭市の50代の無職女性は「後々になって税金が上がり、子どもたちの世代が困ることは避けてほしい」と訴えた。

■支給方法は「現金で」

 給付を容認する人に給付方法についての考えを尋ねると、最多の65%が「全額を現金で」と回答。「全額をクーポンで」は16%、現金5万円とクーポン5万円という政府方針が「適切だ」とする回答は12%だった。


 現金で支給を希望する十勝管内広尾町の30代主婦は「地域には子ども向けの衣料品店が少ない。地域限定のクーポンだとつらい」とし、都市部と地方という環境の違いで恩恵が受けられないことを懸念する。札幌市中央区の40代主婦は「クーポンを塾や通信教育の支払いに充てられるのか。クーポンがあっても、1シーズンの衣料品に5万円も使わないし、期限付きだと困る」と、使い勝手を気にする。

 岩見沢市の30代の女性会社員も「生活にいっぱいいっぱい。生活費に充てたいと考えていたのに、クーポンでは使い道と使う場所が限られてしまう」と不満を訴えた。札幌市西区の契約社員の40代女性は「現金とクーポンの給付は手続きが煩雑になる。経費も余計にかかる」と、2度に分けての給付の効率性を疑問視した。

■何に使う? 最多は「生活費」



 給付金を受け取った場合の使い道で、最も多かったのは「生活費」の44%で、政府がクーポンの使途として示した「教育費・学費」の18%を大きく上回った。次いで「貯金・投資」が16%で続いた。


 伊達市で夫と子ども2人と暮らす30代のパート女性は「どのような形であっても、給付金はとても助かる」と評価する。ただ「節約をしているが、毎月とても生活費がかかる。給付金で貯金はできない」と生活に余裕はないといい、給付金は必要な買い物に使う予定という。

 十勝管内幕別町の30代の農業の女性は給付金の支給を「適切」と考えているが、「給付金で生活するのは難しい。すべての人が働ける環境を整えることが先決だ」とした。石狩市の50代の女性会社員は「給付はばらまきだ。子育てしやすい環境を国が地方と協力して整えてほしい」と、給付金による一時的な対策ではなく、根本的な子育て支援策の見直しを求めた。


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