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知床ヒグマのふん 2千個を拾い集めて分かったこと 「温暖化進めば人里に降りるクマ さらに増える可能性」

 世界自然遺産の知床半島に生息するヒグマが、餌が不足しがちな晩夏から初秋にかけ、標高千メートル前後の高山帯と海岸を行き来し、高山帯に生えるハイマツの実とサケ類を食べて栄養状態を維持していることが、北大大学院獣医学研究院の下鶴倫人准教授(42)の調査で分かった。ハイマツとサケ類の不足が重なった場合、市街地への出没が急増することも判明した。下鶴准教授は「温暖化で知床の生態系が変化すれば、餌を求めて人里に降りるクマがさらに増える可能性がある」と指摘する。

■食性変化セミ幼虫捕食 北大院生・富田さん論文

 知床半島のヒグマの食性を巡っては、オホーツク管内斜里町岩尾別地区のカラマツ林で、土を掘り返してセミの幼虫を食べている個体がいることも分かった。北大大学院環境科学院博士課程3年の富田幹次さん(27)がふんの内容物などから調べ、8月にスウェーデンの野生生物学誌電子版に論文を発表した。富田さんによると、ヒグマがセミの幼虫を餌にしていることが確認された例は過去にないという。

 富田さんは2018年5~7月に岩尾別地区のヒグマのふん60個を採取して内容物を分析。その結果、フキなどの草類が約49%、アリが25%、コエゾゼミ幼虫が14%だった。1980年代に行われた同様の調査ではフキなどの草類が93%を占めており、セミの幼虫はゼロだった。

 セミの幼虫を食べるクマの姿は2000年ごろから目撃されるようになり、知床でも岩尾別地区に生息するヒグマにだけ見られる行動という。

 知床半島では2000年ごろからエゾシカが爆発的に増加した経緯があり、富田さんは「シカが草を食べ尽くしたため、クマの食性が変化し、普通は食べないセミの幼虫を食べるようになった」と推測している。

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